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今年の夏、私は久しぶりに長良川の花火を観に行きました。
友人宅がちょうど川べりにあって、その駐車場を借りることができ、そこから堤防までは徒歩5分! 敷物だの水筒だの、大きな荷物を抱えて堤防に着いたときには汗だくでした。「この状態で花火開始まで2時間半も待つの〜?」とぼやきそうになったとき、すーっと気持ちのいい風が吹いてきました。
すでに川原も堤防も座っている人や歩いている人でいっぱいでしたが、なんとか堤防の端に腰を下ろしました。時折涼しい風が吹く中、用意してきた氷を口に含むと、さーっと汗がひいていきます。クーラーボックスを持ったお父さんとこどもたちが歩いていくのも見えます。お母さんは赤ちゃんを抱っこして、その後をついていきます。ゆっくりと暮れていく空に、半月が浮かんできました。
「もうそろそろかな・・・?」と思った瞬間、花火が打ち上がりました。カラフルな光がいくつも空に広がると、どどん、どおーんと音が続きます。光が筋を引いて流れるのを目で追っているうちに、もう次の花火が打ち上げられ、新作の花火には思わず歓声をあげてしまいました。周囲もすっかり花火大会モードで、観る人あり、飲む人あり、手をつなぐ人たちあり。でも、そこにいた人たち全員が、花火を楽しんでいました。
日本人は、火薬を銃という武器ではなく、花火という文化に用いた民族であるといった人がいます。この夏も、世界各地で戦火が広がりましたが、どうせ火薬を使うのなら、地上で火花を散らすのではなく、夜空に花火を―堤防の上で風に吹かれながらそう願いました。
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