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ゴールデンウイークが始まる頃から「昨日、愛知万博(愛・地球博)に行ってきました。こちらにも足をのばしてみました。」という来館者を何組かお見かけしました。遠方より足を運んでいただきうれしいですね。近くにいながらにしてなかなか行けない私も、夏休み前までには行こうと思っています。
名古屋駅周辺の百貨店は、万博の影響もあって随分賑わっています。地元では普通のものが、外部から見ると珍しいってことも多いですよね。よく文化の違いを感じるとも言われます。名古屋といえば、シンボルともいえる金鯱が、今回愛知万博の開会式でお目見えし、名古屋城内の「新世紀名古屋城博」で出品されています。「手で触れられる」というのも金鯱が生まれて400年の歴史上初めてということで、なかなかの評判のようですよ。いつも見上げるように眺める天守閣の金鯱を同じ目線でみられるのはめったにないですものね。そうそう指輪ははずしていないと手で触れるのはダメだとか。
この金鯱の人気は今も昔も変わりません。実は約130年前の明治5年(1872)の日本で最初の勧業博覧会が開催され、この時に金鯱も出品されたということです。
人気を集め大評判であったため、多くの錦絵広告などに描かれました。そして、明治6年(1873)にはオーストリア開催のウィーン万国博覧会に金鯱の雌が出品され、ヨーロッパで話題になりました。一方、金鯱の雄は石川・大分・愛媛・名古屋で開催された博覧会に相次いで出品され、明治12年(1879)まで各地へ巡回されました。
当館でも、明治8年(1875)に京都の勧業博覧会開催時に刷られた金鯱の錦絵を、今年度の企画展の中でご紹介しています。これには金鯱の歴史や大きさなどについても書かれています。例えば「金鯱」の歯は銀にし、瞳は赤銅で造られているとか、高さは八尺三寸(2m51cm)、40人余りの人で運送する重量などなど。クレーンもなかった昔、天守閣から下ろすのもさぞ大変だったでしょうね。この時モデルとなった金鯱は、残念ながら第二次世界大戦で焼けてしまい、現在の金鯱は次の代のものになります。この130年前の金鯱の絵は当時の活気あふれる万博の様子をも伝えてくれるかのようです。会期中にぜひ当館の金鯱の絵も見にきてください。
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