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開催期間 : 2020年6月2日(火)〜2021年3月31日(水)

2020年度 企画展「麻酔薬のあゆみと華岡青洲」 

 

 麻酔薬は外科治療の選択の幅を大幅に広げました。麻酔法がなかった時代には、外科、整形外科、眼科、歯科、産婦人科などの外科的手術は、耐えられない痛みが伴いました。また、昔は消毒法という考え方も不十分で、衛生的でない設備と環境のもとでの手術では、感染のため命を落とす危険も高かったのです。200年前には、手術を受けた患者の50%は手術後に死亡したという記録があります。 

 古代から痛みを感じずに手術できる薬はないかと探し求められてきましたが、言い伝えが多く、さらに信頼すべき正確な記録が残されておりません。全身麻酔薬を用いた手術が行われた記録がきちんとした形で残されたのは、19世紀初めの日本のことでした。
 文化元年(1804)、紀州(現在の和歌山県)の華岡青洲(はなおか・せいしゅう)は、いつ、どこで、どのような全身麻酔薬を用いて、どのような手順で手術を行い、どのような結果になったかを記録しました。正確な記録が残されている限りではこれが全身麻酔薬を用いた手術の世界で最初の成功例となりました。その42年後、アメリカでモートンがエーテルを用いた麻酔法を公開実験して、それ以後、吸入麻酔薬を用いる麻酔法が世界的に普及していきました。
 全身麻酔法は、手術を受ける患者にとっては意識を失っている状態のため苦痛や不安を感じず、痛みで思わず体を動かしたり、筋肉に力が入ることもなく、自律神経の反射が抑えられて血圧や心拍数の上昇が起きないという利点があります。さらに消毒法の開発によって手術後の感染も少なくなり、術者は安心して手術することが可能となりました。 

 今回の企画展では、洋の東西の麻酔法の歴史をたどり、とくに日本の華岡青洲の全身麻酔薬・麻沸散(まふつさん:後に麻沸湯とも呼ばれた)はどのような経緯で開発され、どのような手術に用いられた全身麻酔薬であったか、また近現代の麻酔法(全身麻酔法、局所麻酔法)がどのように開発されたか、現在どのような麻酔法、麻酔薬が用いられているのかを紹介します。超高令社会になるにつれ、誰もが手術を受ける機会が増えていますので、ぜひこの機会に麻酔法について知識を深めていただければ幸いです。

<企画の概要>
●主催 内藤記念くすり博物館 内藤記念科学振興財団
●開催期間 2020年6月2日(火)〜2021年3月31日(水)
●開催場所 内藤記念くすり博物館 展示館2階特設会場
●入場料 無料



<本件に関するお問い合わせ先>

内藤記念くすり博物館   (担当:稲垣裕美) MAP

〒501-6195 岐阜県各務原市川島竹早町1
TEL:0586-89-2101 FAX:0586-89-2197
開館時間:9:00〜16:30 最終入場時間:16:00
休館日:月曜日、年末年始


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