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黄色は食欲をそそるといわれますが、確かに、お弁当やお皿に盛り付けられている料理に、卵やレモンやオレンジなどが一つ加わるだけでとてもおいしそうに見えます。
人々は昔から食べ物を作る時に、食欲がおきやすいように、また見た目が美しくなるように、食べ物に色付けをしてきました。自然の植物の実や花を使って色付けをした料理、菓子、漬物などがあります。
例えば、カレーライスの黄色は、カレーに入っているスパイスの一つであるターメリック(ウコン)を使っているからです。ターメリックは他のインド料理の着色にも欠かせません。また、高価なサフランの代用としてブイヤベースやパエリア、ピラフなどにも使うようです。最近は、ウコンライスのメニューもレストランでみかけるようになりました。
一般的に家庭で使われるものにはクチナシがあります。お正月のおせち料理の栗きんとんは、サツマイモと栗の甘露煮にクチナシをいれると、黄色が鮮やかになると料理のレシピにあります。栗きんとんは、黄金色に輝く財宝にたとえて、豊かな一年であるようにという願いが込められています。年末になるとクチナシの実が食材売り場にならぶので、簡単に求めることができますね。その他にお餅や、漬物のたくあんの着色にも用いられています。自然の植物の色素を使った手作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
記事:内藤記念くすり博物館
伊藤 恭子 (2009年10月) |

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