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薫風の季節、薬草園は青葉が美しく、花も咲き始めにぎやかになってきました。
花には色があります。昆虫などは身を守るために保護色をまとうこともありますが、逆に植物は鳥や虫が気づき近づいてくれるように、鮮やかな色をつけることが多いようです。今では遺伝子組換えや品種改良によっていろいろな花の色を咲かせることも可能な時代になりました。最近では青いバラの花が話題になりましたね。花の色は、助色素というアントシアニンの発色に影響を与える物質のほか、土壌のpH濃度、アルミニウムイオンの量によって様々に変化します。例えば、カロチノイドは黄色、オレンジ、赤色に発色し、アントシアニンは赤(紅)色、ピンク、青色、紫色に発色し、フラボノ・フラボノールは黄色から青色、白色、クリーム、淡黄色など多くの色を発色することが知られています。酵素がどの程度働くかによって、花の色は決まります。青い色素を作る酵素が働くと、青い花ができます。赤い色素を作る酵素が働くと、赤い花ができます。酵素の働きは遺伝子によって、コントロールされているので、遺伝子の働きをコントロールすることにより、花の色を変えることができます。
ところで、白い花はいつの季節に多く、具体的にどういった名前の花があるのでしょう?白い花というとどんな花を思い浮かべますか?寒い中、春の訪れを告げるように咲く梅、もくれん、こぶし、ハナミズキ。初夏にはナンジャモンジャ(ひとつばたご)、暑い夏に涼しげに咲く、百日紅の花。このように白い花をつける植物は意外にたくさんあることがわかります。今回は白い花をつける薬草を探してみました。4月終りから5月にかけて樹木の白い花が目立つような気がします。この季節、野山へハイキング、散策に出かければ、白い花と新緑の鮮やかなコントラストが楽しめそうです。
記事:内藤記念くすり博物館
伊藤 恭子 (2010年5月) |
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