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国花は、国を象徴する花ですが、国旗や国歌のように法律などで公式に制定されているものは少なく、慣習で決まっている場合が多いようです。ながい歴史のなかで国民の生活に溶け込み、愛されている花と考えるべきものかもしれません。日本でも法律で定められた国花はなく、一般に菊と桜が国花とされています。
国花は、約4000年前、古代エジプトの絵画や彫刻に「神聖なロータス(睡蓮)」として現れたのが最初とされています。世界で100近い国が国花をもっていますが、植物分布上の地域差が著し場合や、多民族、歴史的に複雑な国では、象徴花や愛好される花が一つの国花にまとめられていないこともあります。アメリカなどがその例ですが、そのような国では、代わりに州花など地域の花を定めている場合もあります。
日本の国花である桜には「ぱっと咲いて、ぱっと散る」という日本人特有の美意識も反映されています。国花を通して、国々の気候風土を想像するとともに、人々の気質や伝統に思いを馳せるのも面白いでしょう。
記事:エーザイ株式会社お客様ホットライン室
尾形 武彦 (2002年8月) |
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