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これからお風呂に入って温まるのが待ち遠しい季節となります。
日本人は世界一お風呂好きな民族です。その理由として、日本国土のまわりが豊かな水に恵まれ、天然の温泉も多数存在していることがあげられます。最近は都内でもスパラクーア、大江戸温泉物語、としまえん庭の湯などの天然温泉が相次いでオープンし、たくさんの人たちがつめかけています。本当に温泉が好きですよね。
さて、入浴には大きく分けて以下の2つの効果があります。まず温熱作用です。入浴すると血のめぐりがよくなって疲れが抜け、便通もよくなります。また、全身の筋肉がゆるんでリラックスし、肩こりなどが楽になります。次に補温作用があり、冷え症などの予防にも役に立ちます。最近では身体を洗って、温まるだけの入浴方法から、半身浴や中温反復入浴法など、一歩進んだ入浴スタイルのバリエーションがどんどん広がっていますが、この作用を利用したものだと言えます。私の家内も半身浴を行い、冷え症が治ったようです。
5月5日にはショウブ湯、冬至(12月22日または23日)にはユズ湯に入るというように、薬湯に入るのは健康を守るため、昔から生活上の知恵でした。ショウブ、ユズ、ヨモギなどは精油成分を含んでいます。精油は、風呂の湯に溶け出すと肌に刺激を与えて血のめぐりをよくし、新陳代謝を活発にする働きがあります。また、お茶の葉に多く含まれているタンニンは、薬草中にも含まれています。タンニンは肌を引き締め、荒れを防止し、湿疹、あせもなどの皮膚病の治りを早める効果があります。ユズ湯に入った後は、体のしんからぽかぽかしてきて全身しっとりとした経験をおもちの方も多いと思います。
以上のように薬草は入浴と切っても切れない関係にあり、お風呂に入れると抜群の効果を発揮します。ご家庭で、季節の薬草を風呂に浮かべ、香りを楽しみながら湯船にゆっくりつかって一日の疲れをとるのもいいものですね。さらに、各地には様々な薬草風呂があり、昔から神経痛・リウマチ・冷え症・肩こり・腰痛・関節痛などの効果が期待できると言われています。ご家族と訪ねてみてはいかがでしょうか。
記事:エーザイ株式会社コーポレートコミュニケーション部
高橋 健 (2003年12月)
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