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新緑が美しくさわやかな季節になりました。ゴールデンウィークはもうすぐですね。さて五月五日といえば、端午の節供、こどもの日として知られていますが、実はもともとはくすりの日でもあるのです。日本書紀〔7世紀〕には推古天皇が、五月五日の宮中行事として百官をひきいて大和の国で、薬狩りをしたということが記されています。薬狩りは鹿の若い角(鹿茸 ろくじょう)などを採る目的で行われる一種の狩猟のことでした。
端午の節供は他に菖蒲(しょうぶ)の節供とも呼ばれます。これは菖蒲と「尚武(しょうぶ)」に音が通じるところから、江戸時代になると、女の子のヒナ祭りとは対照的に、この日に男の子の成長を祝うことが強調され、次第に鯉幟(こいのぼり)や冑(かぶと)、武者人形などを飾るようになったのです。最近は、鍾馗(しょうき)の幟や大きな鯉幟が空を泳ぐ光景を見る機会が、少なくなってきました。
菖蒲湯に入ったり、菖蒲や蓬(よもぎ)を軒にさしたり、ちまきを食べるのは、邪気を払い健康を祈念するためといわれています。ちまきは、昔、悲運の死を遂げた霊を弔うために竹筒に米を入れ、木の葉で蓋をして、色糸を縛ったものを水中に投げ入れたことに始まります。かつては茅(ち)でまいたためにちまきという名になりました。
五月五日にくすり博物館では「菖蒲と蓬」を一家族あたり1束プレゼント〔先着100名〕しています。ぜひご来館ください。香りのよい菖蒲のお風呂に入って邪気を洗い流し、健康を祈念してみてはいかがでしょうか?
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