DECプロジェクトマネジャーによるリンパ系フィラリア症制圧活動への取り組み

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2020年2月13日掲載

エーザイは、自社製のリンパ系フィラリア症(LF)治療薬「ジエチルカルバマジンクエン酸塩(DEC)錠」の世界保健機関(WHO)への無償提供を2013年10月より開始し、2019年12月現在、約19.4億錠を28カ国に供給しています。

DEC錠のWHOへの供給と共に、エーザイ社内には「DEC プロジェクトマネジャー」と呼ばれる、LF制圧活動を考え実行する担当者がいます。DECプロジェクトマネジャーは、アジアのLF蔓延国にある販売子会社の社員が中心に任命され、現地の視点で各国の政府LF担当者やその他の現地関係者とLFの早期制圧を実現するためにどのような貢献ができるのかを議論し協力して活動に取り組んでいます。また、各国のDECプロジェクトマネジャーは、一年に一回、face-to-faceのミーティングを行い、それぞれの国におけるベスト・プラクティスを共有し合い、将来の活動について検討を行っています。

本年度は、第7回目となるDECプロジェクトマネジャー会議をインドネシアで行いました。インドネシアでは、2015年より毎年10月をLFの制圧月間(BELKAGA: Bulan ELiminasi KAki GAjah)と定めて、国を挙げてLFの制圧に取り組み、疾患の啓発を図ると同時に、全国の蔓延地域で集団投与(MDA)を実施しています。エーザイのDECプロジェクトマネジャーは、インドネシア東部のBetun Malakaで開催されたBELKAGAイベントに参加しました。本イベントには、インドネシアの保健大臣をはじめ、行政のキーパーソンが参加し、LFの早期制圧に向けたスピーチや地元の子どもたちによるLF啓発ダンスが行われました。その後、エーザイ製のDEC錠を使用したMDAが実施されました。エーザイは2015年以来、BELKAGAで実施するMDAで使用されるDEC錠を供給しています。

BELKAGAイベントに参加したエーザイ社員とインターンシップ医学生

LFについての啓発パネル

BELKAGAのイベント後に、将来のLF制圧支援方法の検討に役立てるため、DECプロジェクトマネジャーが現地の医学部の学生や保健省Betun Malaka地域担当長も含めて、LF患者様との共同化を実施しました。共同化では、LF患者様の日常の生活環境や抱えている課題、ニーズについて話し合い、解決方法を考えました。次に、ジャワ島中央に位置するLF蔓延地域スマランにあるMuhammadiyah大学医学部で、学部長、教員、学生をはじめとする120名ほどの関係者向けに、エーザイ社員がLFについて講義を行いました。地域医療を支える現地の大学医学部でのエーザイ社員による講義は、LFに関する社会的な認識向上のため、2015年から継続的に実施しています。

LF患者様との共同化
LF患者様、政府関係者、その他ステークホルダーとの交流

エーザイは、今後もDEC錠の無償提供と共に、DEC プロジェクトマネジャーによる活動を通じて早期のLF制圧に向けた活動を続けてまいります。

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