2017 UHCフォーラムのサイドイベントに参画ロンドン宣言から5年、約10億人に届けられた顧みられない熱帯病への取り組みがユニバーサル・ヘルス・カバレッジ実現への入り口に

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2018年3月27日掲載

2012年に顧みられない熱帯病(NTDs)に関するロンドン宣言が、多様なパートナーによって締結され、グローバルな協力によりこれらの疾患を制圧するという目標が共有されました。この5年間で、強力なパートナーシップにより、顕著な進歩を遂げることができ、2016年だけでも10億人が治療を受けました。ロンドン宣言以降、リンパ系フィラリア症(LF)を10カ国1、トラコーマを5カ国、河川盲目症を4カ国で制圧しました。NTDプログラムは、現在、世界最大規模の保健プログラムの1つになっており、世界の最貧困地域において、このプログラムを推進することが、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現への入り口となります。

Uniting to Combat NTDsが発行するロンドン宣言の活動の進行状況をまとめた第5回報告書の発表とともに、2017年12月15日、長崎大学、DNDi Japan、聖路加国際大学とUniting to Combat NTDs の共催で、UHCフォーラム20172の公式サイドイベントが開催されました。

イベントには、WHO 事務局長のTedros Adhanom 氏も出席し、「NTDsは、世界的な健康問題における私たちの重要な闘いのひとつであり、私たちがまだこれらの疾患と戦っている理由は、UHCを達成できなかったからです。NTDsの制圧は、UHCを達成するためのマイルストンであり、透明性を確保し、パートナー間の信頼関係を確立することが鍵となります。私たち一人ひとりが貢献できることがあり、貧困によるこれらの疾患を克服するために、共に努力する必要があります。」と述べました。また、NTDs 治療薬の寄付を行っているすべての製薬会社に感謝の意を表しました。

当社CEOの内藤晴夫は製薬産業の代表として登壇し、「アクセスとイノベーションは製薬企業が達成すべき使命です。ロンドン宣言はそれらを実現する機会を提供し、エーザイは、27カ国に10億錠以上のDEC錠を提供しており、10カ国がLF を制圧したことを喜ばしく思います。また、LF 制圧に関し新たな併用療法のガイドラインがWHOから発表されたことを受け、薬剤の供給企業はLF が制圧されるまで治療薬を提供することを約束しています。」と述べました。

WHO 事務局長 Tedros Adhanom 氏
当社CEOの内藤晴夫

また、イノベーションに関して、GHITの取り組みに触れるとともに、イノベーションのボトルネックとして資金調達、NTDsに対する薬制の承認プロセスが課題であるとの考えを示しました。製薬企業の観点からは、ESG(環境、社会、ガバナンス)活動は投資家が重視している指標であり、グローバルヘルスに対する活動は、企業がESGに貢献するための大きな要素だと述べました。

 

パネルディスカッションの様子
(左から当社CEO内藤、USAID のKelly Saldana 氏、世界銀行のTim Evans 氏、司会を務めるゲイツ財団のJulie Jacobson 氏)
 内藤は、世界銀行のTim Evans氏、USAIDのKelly Saldana氏とともにパネルディスカッションに参加し、「昨今、製薬企業はどのような価値を創造できるかによって評価されます。NTDs への取り組みはもはやサイドワークなどではなく、主戦場であり、がんの治癒と1つのNTD の制圧の価値は同等です。」との考えを示しました。サイドイベントは、登壇者の素晴らしいスピーチやディスカッション、フロアからのポイントをついた質問により成功裏に終了しました。
当日の様子は、Uniting to Combat NTDのウエブサイトから動画で見ることができます。
http://unitingtocombatntds.org/events/uhc-forum-ntds/
 

2017年12月時点では、LFを制圧した国は10カ国でしたが、2018年2月現在では11カ国となりました。

UHCフォーラム:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの共通目標に向けて、保健セクター、国、開発パートナー、市民社会、民間セクターとの連携を強化するために、日本政府、世界銀行、ユニセフ、JICA、UHC2030が共催して開催されました。