自社開発中のモノクローナル抗体「ファルレツズマブ」Eurofarmaとラテンアメリカにおける独占的ライセンス契約を締結

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、当社の研究開発会社であるモルフォテック・インク(本社:米国ペンシルバニア州、社長兼CEO:Nicholas Nicolaides、以下 モルフォテック)が、抗がん剤として開発中のモノクローナル抗体「ファルレツズマブ(一般名)」(開発番号:MORAb-003)について、ラテンアメリカにおける開発・販売に係る独占的ライセンス契約をEurofarma Laboratórios S.A.(本社:ブラジル サンパウロ、President:Maurizio Billi、以下 Eurofarma)と締結しましたのでお知らせします。

本契約に基づき、モルフォテックは、Eurofarmaより契約一時金、開発ステージおよび売上高達成に応じたマイルストン、さらに売上高に応じたロイヤリティを受領します。モルフォテックは、Eurofarmaに対して、開発および販売に必要な本剤の提供を行います。なお、Eurofarmaは、テリトリーにおけるバイアル充填と包装を行うオプション権を保有しています。また、モルフォテックは、ラテンアメリカ以外のすべての地域において、開発・販売に関するすべての権利を保有しています。

「ファルレツズマブ」は、モルフォテックが創製した、葉酸受容体の一つである葉酸受容体α(FRA)に対するヒト化モノクローナル抗体です。FRAは卵巣がんやその他の上皮性がん細胞に多く発現していることが報告されています。「ファルレツズマブ」について、卵巣がんの腫瘍マーカーであるCA-125のレベルが低いプラチナ感受性の初回再発卵巣がん患者様に対する無作為化、プラセボ比較、二重盲検の臨床第Ⅱ相試験が進行中です。本試験においては、「ファルレツズマブ」を標準化学療法と併用した際の、有効性と安全性を検証しています。

当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。当社は今回の提携による「ファルレツズマブ」の開発加速と価値最大化の実現を通じて、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

以上

<参考資料>

1. 「ファルレツズマブ(一般名)」(開発番号:MORAb-003)について

ファルレツズマブは葉酸受容体の一つである葉酸受容体α(FRA)に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。FRAは卵巣がんやその他の上皮性がん細胞に多く発現していることが報告されています。モノクローナル抗体は、特異的ながん細胞を攻撃するように作られた人工的な免疫系タンパク質であり、がん免疫療法の一つの治療法となります。免疫療法は化学療法とは一線を画した治療選択肢を患者様に提供します。

2. Eurofarma Laboratórios S.A.(Eurofarma)について

Eurofarmaは、1972年に創設されたブラジルで最も大きな製薬企業の一つです。ラテンアメリカ市場の約90%でビジネスを展開しています。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、中央アメリカ、チリ、コロンビア、ペルーやウルグアイで販売拠点を持ち、メキシコとベネズエラでも製品を販売しています。Eurofarmaは、自社創製品や導入品に対する開発研究、臨床試験の実施、マーケティングおよび販売に関わる機能を有しています。Eurofarmaは、合理的価格での治療の提供を通じ患者様の健康とQOLの向上に努めるとともに、採算性のある事業を展開し、継続的な成長と、従業員と社会との創造価値の共有をめざしています。

Eurofarmaの詳細情報は、www.eurofarma.com.brをご覧ください。