ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」の「多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」に関する承認条件(全例調査)の解除について

  • 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者さんの全例調査における中間報告書の審査結果に基づき、承認条件が解除
  • 解析結果は、これまでに示された「ヒュミラ®」の安全性および有効性を支持

アッヴィ合同会社
エーザイ株式会社

アッヴィ合同会社(本社:東京都、社長:ジェームス・フェリシアーノ、以下 アッヴィ)とエーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、このたび、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®皮下注20mgシリンジ0.4mL/皮下注40mgシリンジ0.8mL」(一般名:アダリムマブ<遺伝子組換え>、以下「ヒュミラ®」)について、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎に係る効能・効果の承認条件となっていた特定使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省から解除の通達を受けました。

「ヒュミラ®」は、2011年7月に「多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」に係る効能・効果が承認されました。その際の承認条件として、「国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。」が付されていました。

今回の承認条件の解除は、厚生労働省に提出した176人の多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者さんの全例調査中間報告書をもとに、「ヒュミラ®」の承認条件の内容である本剤の安全性及び有効性に関するデータの早期収集、本剤の適正使用に必要な措置を講じること、について審査された結果に基づき、決定・通知されたものです。なお解析結果は、これまでに示された「ヒュミラ®」の安全性および有効性を支持するもので、副作用発現率は30.1%(53/176)、有効性についてもこれまでの国内臨床試験で確認された内容と大きな違いはありませんでした。

「ヒュミラ®」の臨床研究は広範に行われ、豊富なデータを有しております。日本において「ヒュミラ®」は、アッヴィが製造販売承認を取得し、アッヴィとエーザイによる1ブランド1チャネル2プロモーション方式で共同プロモーションを行っており、販売はエーザイが担当しています。

両社は、引き続き本剤の適正使用の推進、情報提供に努め、患者さんのQOL向上に貢献してまいります。

以上

<参考資料>

1. 用語解説

1)多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎

若年性特発性関節炎(Juvenile idiopathic arthritis: 以下、JIA)は、16歳未満で発症する自己免疫疾患で、以前は若年性関節リウマチと呼称されていた小児期の慢性関節炎です。JIAは、小児関節炎の最も一般的な疾患で、多関節(5つ以上の関節)に活動性を有する若年性特発性関節炎は、JIAのタイプの一つです。症状は、関節の痛みと腫れ、跛行、朝のこわばり、活動性の低下、手脚の使用への抵抗感が生じます。この慢性疾患をコントロールするには、早期診断とJIAへの適切な治療が重要です。

2)TNFα

TNF(腫瘍壊死因子:Tumor Necrosis Factor)とは、腫瘍細胞に対する傷害活性を有する因子として発見された細胞間相互作用を媒介するタンパク質(サイトカイン)の一つです。

TNFαは、マクロファージ、リンパ球、血管内皮細胞などの種々の細胞によって産生され、炎症反応を惹き起こしたり、増強したり、炎症細胞を活性化したりします。一部の免疫疾患で過剰に産生され、炎症反応の中心的な役割を果たしている物質です。

3)モノクローナル抗体

単一株(モノクローン)の抗体産生細胞から得られた抗体で、抗原に対する結合親和性や特異性が均一の抗体です。

4)使用成績調査

使用成績調査は、厚生労働省令(GPSP省令)で以下のとおり、定義されています。
「製造販売後調査等のうち、製造販売業者等が、診療において、医薬品を使用する患者の条件を定めることなく、副作用による疾病等の種類別の発現状況並びに品質、有効性及び安全性に関する情報の検出又は確認を行う調査をいう。」

5)特定使用成績調査

特定使用成績調査とは、使用成績調査の一部であり、厚生労働省令(GPSP省令)で以下のとおり、定義されています。なお、今回の承認解除となった全例調査は特定使用成績調査です。
「使用成績調査のうち、製造販売業者等が、診療において、小児、高齢者、妊産婦、腎機能障害又は肝機能障害を有する患者、医薬品を長期に使用する患者その他医薬品を使用する条件が定められた患者における副作用による疾病等の種類別の発現状況並びに品質、有効性及び安全性に関する情報の検出又は確認、またその他医薬品を有効かつ安全に使用するための情報の把握のために行う調査をいう。」

2. 「ヒュミラ®」について

「ヒュミラ®」は、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤です。日本において「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬・関節症性乾癬・強直性脊椎炎・多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎・腸管型ベーチェット病・中等症又は重症の活動期にあるクローン病の寛解導入及び維持療法・中等症又は重症の潰瘍性大腸炎の治療」に係る効能・効果の承認を取得しています。

3. アッヴィについて

アッヴィは、アボットラボラトリーズからの分社を経て2013年に設立された、研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。専門知識や献身的な社員・イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、世界で最も複雑かつ深刻な疾患領域における先進的な治療薬を開発・提供することをミッションに掲げています。アッヴィは、100%子会社のファーマサイクリックス社を含めて世界で28,000人以上を雇用し、170カ国以上で医薬品を販売しています。当社の概要や人材・製品群・コミットメントに関する詳細は www.abbvie.comをご覧ください。よろしければTwitterアカウント@AbbVieもフォローください。また、人材情報はFacebookやLinkedInページをご参照ください。

日本においては、アッヴィ合同会社の約900人の社員が、医療用医薬品の研究・開発や販売に従事しています。自己免疫疾患・新生児・肝疾患・ニューロサイエンスの各領域を中心に、患者さんの生活に大きく貢献できることを願っています。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。

4. エーザイについて

エーザイ株式会社は、本社を日本に置く研究開発型グローバル製薬企業です。患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、世界で約1万人の社員がアンメットメディカルニーズの高い疾患領域において革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jp別ウィンドウで開きますをご覧ください。

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広報部 野洲 03-4577-1112

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