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ニュースリリース

2015年11月20日

選択的ホスホジエステラーゼ4 阻害剤「E6005」をRoivant 社に導出

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、自社創製のホスホジエステラーゼ4(phosphodiesterase4、以下PDE4)阻害剤E6005を、Roivant Sciences Ltd.(以下Roivant社)に導出する契約を締結したことをお知らせします。

 本契約の締結により、当社はRoivant社に、日本を含む全世界をライセンス対象地域として、E6005の研究、開発、製造、販売に関する独占的権利を供与します。現在、E6005は、日本でアトピー性皮膚炎を対象疾患とした臨床第II相試験段階にありますが、今後はRoivant社が研究・開発を実施します。なお、本契約に伴い、当社はRoivant社より契約一時金を受領し、開発の進捗に応じたマイルストンペイメント、また、上市後には売上収益に応じた一定のロイヤルティを受領する予定です。

 E6005は、当社の筑波研究所で創製された、選択的PDE4阻害剤です。PDE4はセカンドメッセンジャーであるサイクリックAMPを分解する酵素であり、炎症・免疫の制御に関わっていることが知られています。当社がこれまでに実施した非臨床試験および臨床試験において、E6005は、PDE4を選択的に阻害することでアトピー性皮膚炎に対する抗炎症作用を示すとともに、痒み抑制作用があることが示唆されています。また、成人および小児アトピー性皮膚炎の患者様を対象とした臨床試験において、臨床上問題となる安全性の懸念は認められていません。アトピー性皮膚炎は、痒みと炎症の相互作用により悪化・慢性化を引き起こすことが知られており、E6005は、良好な安全性および抗炎症作用と痒み抑制作用を併せ持つ、新たな治療選択肢となることが期待されます。

 Roivant社は、他社の臨床パイプライン製品を戦略的に買収する独自のビジネスモデルを持つ製薬会社です。当社は、「がん」「神経領域」を重点疾患領域と位置づけ、研究開発資源を重点的に投入しており、E6005(Roivant社の開発コード:RVT-501)についてはRoivant社に導出することにより、本剤の化合物価値の最大化をはかり、アトピー性皮膚炎をはじめとする炎症・免疫系疾患の患者様の治療に、1日でも早く貢献ができることを期待しています。

以上

<参考資料>

1.  E6005(Roivant社の開発コード:RVT-501)について
 E6005(RVT-501)は、自社創製の選択的ホスホジエステラーゼ4(phosphodiesterase4、以下PDE4)阻害剤です。PDE4は炎症・免疫に関わる多くの細胞に分布している酵素であり、細胞内情報伝達分子であるサイクリックAMPの分解を介して炎症シグナル伝達に関与しています。その活性亢進は炎症性メディエーターの産生増加による病態の悪化や慢性化に繋がることが報告されており、アトピー性皮膚炎の病変部においても、PDE4活性の亢進が認められています。
 当社が実施した非臨床試験あるいは臨床試験において、E6005は、選択的にPDE4を阻害することにより、アトピー性皮膚炎に対する抗炎症作用を示すことに加え、痒み抑制作用があることが示唆されています。E6005は、経皮投与型のPDE4阻害剤として、成人および小児のアトピー性皮膚炎を対象とした臨床第II相試験段階にあり、アトピー性皮膚炎に対して、良好な安全性および抗炎症作用と痒み抑制作用を併せ持つ、新たな治療選択肢となることが期待されています。