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ニュースリリース

2014年11月4日

Lorcaserinの禁煙補助に対する臨床第II相試験で主要評価項目を達成しPOCを確認

 エーザイ株式会社(本社:東京、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、当社の米国子会社であるエーザイ・インクと米国Arena Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、社長:Jack Lief、以下 アリーナ社)が共同で開発を進めているセロトニン2C受容体アゴニストlorcaserin hydrochloride(米国製品名:BELVIQ®、以下 lorcaserin)の禁煙補助に対する臨床第II相試験において、主要評価項目である4週間持続禁煙率をプラセボと比較して統計学的に有意に高め、POC(創薬概念の検証)を確認したことをお知らせします。また、本試験は、選択的セロトニン2C受容体アゴニストが禁煙の治療に有効であることが示唆された、初めての臨床上のエビデンスとなります。試験結果の詳細は、今後、学会等で公表する予定です。

 本試験は、lorcaserinの禁煙補助としての有効性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床第II相試験です。ニコチン依存がありかつ、1日最低18本喫煙している603名がlorcaserin 1回10mg 1日1回投与群、lorcaserin 1回10mg 1日2回投与群、プラセボ投与群の3群に、無作為に1:1:1の割合で割り付けられました。投与期間は12週間で、投与開始15日目頃から禁煙を開始し、試験期間中には禁煙のカウンセリングを実施しました。

 本試験の主要評価項目には、試験開始9週目から12週目までの一酸化炭素確認による4週間持続禁煙率が設定されました。持続禁煙率は、喫煙や他のニコチン摂取の自己報告がなく、かつ呼気中一酸化炭素濃度が10ppm以下であった患者様の割合と規定されました。試験の結果速報では、持続禁煙率は、プラセボ投与群、lorcaserin 1回10mg 1日1回投与群および1日2回投与群において、それぞれ5.6%、8.7%、15.3%であり、lorcaserin 1日2回投与群はプラセボ投与群に対して統計学的に有意に禁煙持続率を高めました(p=0.003、オッズ比 3.02)。

 また、本試験では禁煙効果に加え体重減少効果も示されました。副次的評価項目の1つである投与開始から12週目までの体重変化について、lorcaserin 1日2回投与群では、プラセボ投与群に対して、統計学的に有意な体重の減少を示しました(-0.98 kg vs -0.01 kg、p=0.0004)。

 本臨床試験で報告された主な副作用は、頭痛、悪心、便秘、めまい、口内乾燥であり、これまでの他のlorcaserinの臨床試験の有害事象プロファイルと同様でした。

 喫煙は世界規模の公衆衛生問題のひとつですが、その習慣性から抜け出すことが難しく、世界では未だ多くの人々が喫煙を続けています。
 当社は、本臨床試験結果を詳細に評価し、禁煙治療分野への貢献に繋げるべく、取り組みを続けてまいります。

以上

<参考資料>

1. 米国での喫煙について
 米国保健福祉省によれば、喫煙による健康被害の増加は、20世紀における公衆衛生上の最大の課題とされていました。様々な努力により、喫煙人口はこの10年で大きく減少しましたが、米国では、いまだ4,000万人以上の喫煙者がおり、喫煙に起因する経済コストは2009~2012年の4年間で、およそ3,000億ドルと推定されています。2014年には、米国で50万人近くの成人が喫煙を直接的な原因として死亡しています。また、喫煙は世界的な問題であり、毎年500万人以上が喫煙により死亡しています。

2. Lorcaserin hydrochloride(米国製品名:BELVIQ)について
 Lorcaserinは米国において、ボディ・マス・インデックス(BMI)が30kg/m2以上、あるいは少なくとも1つ以上の合併症を患うBMIが27kg/m2以上の成人患者様の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として、2012年6月に米国食品医薬品局(FDA)より承認され、米国麻薬取締局によるスケジューリング指定を経て、2013年6月に発売されました。本剤は、アリーナ社創製の新規化合物であり、選択的に脳内のセロトニン2C受容体を刺激することにより摂食を抑制し、満腹感を促進すると考えられています。2C受容体を活性化することにより、患者様はより少ない食事量により満腹感を得られることが期待されます。また、2013年11月には、lorcaserinのライセンス対象地域をこれまでの米州21カ国から欧州、日本、中国を含む全世界(韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルを除く)に拡大することで合意しています。申請に用いた複数の臨床第III相試験における主な有害事象は、糖尿病を合併しない肥満症では、頭痛、めまい、疲労、嘔吐、口内乾燥、便秘であり、糖尿病を有する肥満症では、低血糖症、頭痛、背部痛、咳嗽、疲労でした。重要な安全性情報(ISI)を含む本剤に関する詳細はBELVIQウェブサイトをご参照ください。http://www.belviq.com(英語のみ)