「アリセプト®」中国で高度アルツハイマー型認知症を対象とした臨床第Ⅲ相試験で主要評価項目を達成

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、「アリセプト®」(一般名:ドネペジル塩酸塩)について、中国における高度アルツハイマー型認知症(AD)の患者様を対象とした臨床第Ⅲ相試験(339試験)の主要評価項目を達成したことをお知らせします。当社は、本試験結果に基づき、2014年度中に中国の当局に対して高度ADに関する適応拡大申請を行う予定です。

本試験は、中国人の高度AD患者様313名を対象とした、アリセプト10mgの有効性、安全性を評価する多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験です。本試験の解析速報では、アリセプト投与群は、プラセボ投与群に比較し、主要評価項目である投与24週時の認知機能評価(Severe Impairment Battery)を統計学的に有意に改善しました。また、本試験においてアリセプト投与群で観察された主な有害事象は徐脈、食欲減退、心電図QT延長、浮動性めまい、下痢、体重減少でした。

本試験結果について、中国の主要治験責任医師である首都医科大学宣武医院の贾建平(Jianping Jia)教授は、「中国には、多くの高度AD患者様がいらっしゃるにもかかわらず、中国人患者様を対象とするグローバル水準のプラセボ対照臨床第Ⅲ相試験により有効性が検証された高度ADの適応を有する薬剤はありません。本試験結果によって、確かなエビデンスに基づく薬物療法を提供できることを期待しています。」と述べています。

中国における認知症患者様数は約700万人1で、世界で最多と推定されています。また今後、高齢化の進展に伴い、大幅な増加が予想されています。

当社は、「アリセプト」を発売して以来、新剤形や新適応の開発、早期診断・早期治療に向けた疾患啓発、診断技術の向上などにより、本剤の患者様価値拡大に取り組んでいます。日本では、2014年9月19日に、新適応として世界で初めてレビー小体型認知症の承認を取得しました。当社は引き続き、「アリセプト」の創製者として、認知症の患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上への貢献を果たすとともに、より良い治療とケア、疾患啓発など認知症への包括的な貢献に向けて取り組んでまいります。

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    Jia J, Wang F, Wei C, et al. The prevalence of dementia in urban and rural areas of China. Alzheimers Dement 2014; 10: 1-9.

以上