ここから本文です

ニュースリリース

2013年4月17日

中心循環系血管内塞栓促進用補綴材「ディーシー ビーズ®」日本において製造販売承認を取得

 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、このたび、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材「ディーシー ビーズ®」(高度管理医療機器、以下、「本品」)について、肝細胞癌患者に対する肝動脈塞栓療法を使用目的として、厚生労働省より製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。

 本品は、架橋化ポリビニルアルコール高分子からなる親水性の球状微粒子(マイクロスフィア)であり、注入用カテーテルを通じて目標とする血管を選択的に塞栓するための血管塞栓用ビーズです。肝細胞癌の治療法の一つである肝動脈塞栓療法は、腫瘍の栄養血管である肝動脈の血流を塞栓物質で選択的に途絶させ、肝細胞癌に選択的な腫瘍壊死効果をもたらすことを目的とした治療法です。

 本品は、BTG インターナショナルグループ傘下のBiocompatibles社が開発し、肝細胞癌等に対する血管塞栓療法に用いる有用な血管塞栓材として、欧米を中心に世界40カ国以上で販売されています。日本では、厚生労働省の「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」において、本品の早期導入を進めることが推奨されており、当社は、2009年7月にBiocompatibles社から、日本における独占的開発および販売権を獲得した後、2010年12月に製造販売承認申請を行っていました。

 当社は、日本において肝細胞癌の画像診断領域で使用する非イオン性造影剤「イオメロン®」ならびに非イオン性MRI用造影剤「プロハンス®」、肝細胞癌の腫瘍マーカーであるPIVKA-IIの体外診断用医薬品「PIVKA-IIキット」、および肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー®」を販売しています。このたびの「ディーシー ビーズ®」の承認取得により、日本における肝細胞癌関連製品をさらに充実させ、肝細胞癌の患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に一層貢献してまいります。

以上

[参考資料としてディーシー ビーズ®の概要、肝動脈塞栓療法、多血性腫瘍について添付しています]

<参考資料>

1. ディーシー ビーズ®の概要

 本品は、架橋化ポリビニルアルコール高分子からなる親水性の球状微粒子(マイクロスフィア)であり、注入用カテーテルを通じて目標とする血管を選択的に塞栓するための血管塞栓用ビーズです。微細で均一な球状の粒子であるため、血管径や腫瘍の大きさ等の対象範囲に合わせた持続的な塞栓効果が期待できます。本品を用いた塞栓は、X線透視下において標的血管の血流停滞を観察して確認します。このたび日本で承認された本品には、粒子サイズの異なる3種の製品(100~300㎛粒、300~500㎛粒、500~700㎛粒)があり、標的血管の血管径、腫瘍の大きさおよび塞栓範囲を考慮し、適切な粒子サイズを選択し使用します。
 当社は、今回承認を取得した、肝細胞癌に対する肝動脈塞栓療法の適応に加え、現在、日本において多血性腫瘍等に対する血管塞栓療法の臨床第III相試験を実施しています。

2. 肝動脈塞栓療法について

 肝動脈塞栓療法は、肝細胞癌の栄養血管である肝動脈に塞栓物質を注入し、血流を途絶させることにより、選択的に肝細胞癌を阻血に導き、壊死させる治療法です。正常な肝細胞は、動脈血と門脈血の両者から血流を受けますが、肝細胞癌は腫瘍組織に発達した肝動脈を主体に動脈血流を受けています。従って、腫瘍の栄養血管である肝動脈を塞栓物質で選択的に塞栓することで、肝細胞癌に対する選択的な腫瘍壊死効果が期待されます。肝動脈塞栓療法には肝動脈塞栓療法(Transcatheter Arterial Embolization: TAE)と、補助的にがん細胞の活性抑制効果を期待して抗がん剤を併用する肝動脈化学塞栓療法(Transcatheter Arterial Chemoembolization: TACE)という2つの療法があります。

3. 多血性腫瘍について

 多血性腫瘍とは腫瘍組織に発達した血管網を介して栄養供給を受けている悪性腫瘍の総称で、一般的に、肝細胞癌、腎細胞癌、骨軟部腫瘍などの腫瘍疾患を指しています。