エーザイデマンドチェーンシステムズが新グローバル生産体制に移行

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、当社グループの生産マネジメント体制について、従来の地域別に存在する製造サイトを軸にした体制から、グローバルに統合された製品群別のユニット体制に移行することをお知らせいたします。新体制への移行により、各製品におけるエンド・トゥ・エンドの責任体制を明確にし、患者様の真のニーズを把握し、患者様満足を実現する製品を提供する生産体制を、より強化することをめざします。

当社の生産部門は、2010年度にサプライ(供給)主導型の視点からデマンド(需要)主導型への転換をはかり、エーザイデマンドチェーンシステムズ(Eisai Demand Chain Systems: EDCS)として顧客満足の増大をめざす活動を展開しています。現代医薬品産業を取り巻く環境は、急速に変化しています。新興国の重要性の増大、医薬品アクセスにおける課題、グローバル化にともなう顧客ニーズの多様化、バイオロジクスなどの新たな技術への生産対応など、加速する環境変化の中で顧客ニーズを的確に捉え対応していくために、EDCSは新体制へと転換します。

新体制は、当社の製品ポートフォリオとテクノロジー戦略に鑑み、5つの製品領域ユニット(デマンドチェーンユニット: DCU)と、2つの機能ユニット(コアファンクションユニット: CFU)で構成され、各ユニットが自律したマネジメントを行います。DCUは、製品毎に原料調達から、製造、包装、出荷に至るあらゆる生産活動に対するアカウンタビリティーをもつプロダクトチャンピオンを配し、その強いオーナーシップのもと、顧客満足を実現する製品をお届けする責任を持ちます。一方、品質保証や製造委託先の管理などユニット共通の機能に関しては、CFUがその専門性をもって各DCUの活動を支援します。さらに、これらのユニットの自律性を保ちつつ、EDCSにおける全体最適を保持すべく、戦略企画、組織・人財管理およびリスクマネジメントの機能からなるデマンドチェーンヘッドクォーター(DCHQ)を設置します。

当社は、新たな体制のもと、大グローバリゼーション時代における顧客ニーズの多様化に対応し、高品質かつアフォーダブルプライシングを実現し、顧客歓喜に繋がる製品をお届けすることにより、世界の患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献してまいります。

以上

[参考資料として各ユニットとその役割を添付しております]

<参考資料>

1. 各ユニットとその役割について

●バイオロジクスDCU:

抗体医薬を中心としたバイオ製品の自社製造技術および製造機能の確立に向けて、開発段階でのスケールアップ並びに初期商業生産に対応可能な施設の構築を担います。(ユニット本部:鹿島)

●オンコロジーDCU:

ハラヴェン®、レンバチニブなどの抗がん剤全般の製造を担当します。米国のノースカロライナ工場を抗がん剤の製剤製造のハブと位置づけ、注射剤および固体剤の自社抗がん剤製造機能の増強をはかります。(ユニット本部:ノースカロライナ(米国))

●ニューケミカルエンティティDCU:

新製品(抗がん剤、バイオロジクスを除く)の製造技術およびロジスティクス確立、初期商業生産を担います。商業生産の製造技術確立後は、グローバルブランドDCUもしくはステーブルブランドDCUへの技術委譲を進めていきます。(ユニット本部:ハットフィールド(英国))

●グローバルブランドDCU:

アリセプト®、パリエット®、ゾネグランなどのグローバル品目についての製造責任を有します。また、アフォーダブルプライシングの実現に向けた購買戦略機能を担います。(ユニット本部:バイザッグ(インド))

●ステーブルブランドDCU:

主に日本およびアジアで販売する長期収載品や薬粧品を担当します。担当製品群の更なるデマンドイノベーションを通じて、顧客歓喜の達成をめざします。(ユニット本部:美里)

●クオリティCFU:

全世界で市販されるエーザイ製品の品質保証に対する責任を有し、アメリカス、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アジア(日本を除くイースト・アジアおよびインド・パシフィック)、および日本の4リージョン、1グローバル機能体制となります。(ユニット本部:東京(本社))

●パートナーシップマネジメントCFU:

導入品などの医家向け仕入品の購入・在庫の管理および各DCUが管轄する製品の委託製造の管理を担います。(ユニット本部:ノースカロライナ(米国))