米国FDA諮問委員会が肥満症治療剤lorcaserinの有用性を支持

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、アリーナ・ファーマシューティカルズ・インク(Arena Pharmaceuticals, Inc. 本社:米国カリフォルニア州、社長:ジャック・リーフ、以下 アリーナ社)が、米国で新薬承認申請中の肥満症治療剤lorcaserin(一般名)について、2012年5月10日(米国現地時間)に開催された米国食品医薬品局(FDA)の内分泌・代謝薬諮問委員会(Endocrinologic and Metabolic Drugs Advisory Committee)において、過体重および肥満症の患者様に対するlorcaserinの長期投与による有用性を認める採決(賛成:18、反対:4、棄権:1)がなされた、と発表しました。

Lorcaserinは、肥満症の患者様(BMI≧30)、または1つ以上の合併症を有する過体重の患者様(BMI≧27)の、体重減少およびその維持を含む肥満症の治療剤として開発されている、アリーナ社が創製した新規化合物です。当社の米国子会社であるエーザイ・インクは、アリーナ社のスイス子会社アリーナ・ファーマシューティカルズGmbH と、本剤に関する米国での独占的販売供給契約を締結しています。

米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、米国成人の 3分の2 以上は肥満又は過体重であるとされています。また、米国における肥満の割合は、1980年から2010年にかけて2倍以上(約15%から約36%)に増加しています。

今回の採決結果は、lorcaserinが過体重および肥満症の患者様に対する新しい治療選択肢となる可能性を支持するものです。諮問委員会はFDAに対して提言を行いますが、承認に関してはFDAが最終決定を行います。なお、本申請に関するFDAのPDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)は2012年6月27日に定められています。

以上

[参考資料として、lorcaserin、アリーナ・ファーマシューティカルズ・インクを添付しています]

<参考資料>

1. lorcaserinについて

lorcaserinはアリーナ社創製の化合物であり、選択的なセロトニン2C(5-HT2C)受容体アゴニストとして作用することが知られています。また、セロトニン2C受容体は、食欲や代謝を司る視床下部を含めた脳に発現しており、視床下部の5-HT2Cへの刺激は摂食抑制、飽食に強い関連を有していることが報告されています。

2. アリーナ・ファーマシューティカルズ・インクについて

アリーナ・ファーマシューティカルズ・インクは、循環器、中枢系、炎症、代謝異常分野におけるGタンパク結合受容体、有効な創薬標的をターゲットとする、経口剤の発見、開発、商品化にフォーカスするバイオ製薬会社です。Arena Pharmaceuticals®およびArena®は、アリーナ・ファーマシューティカルズ・インクの登録商標です。