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ニュースリリース

2012年4月23日

ドイツ規制当局が局所進行性・転移性乳がんにおける抗がん剤「HALAVEN®」の追加ベネフィットを支持

 エーザイ株式会社(本社:東京、社長:内藤晴夫)は、ドイツの独立した医療制度の最高意思決定機関であるドイツ連邦合同委員会(G-BA)1)が、当社により創製・開発された抗がん剤「HALAVEN®」(一般名:エリブリンメシル酸塩)について、複数の抗がん剤による前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん患者様において、G-BAが定義した治療法に比較して追加ベネフィットを有していると評価したと発表しました。

 今回の評価は、2012年2月に発表されたドイツ医療サービス評価研究所(IQWiG)2)の評価と異なり、G-BAが「HALAVEN®」の追加ベネフィットを認めると結論付けたものです。G-BAによる評価は、グローバル第III相臨床試験であるEMBRACE試験(Eisai Metastatic Breast Cancer Study Assessing Treatment of Physician’s Choice vs Eribulin E7389)の結果に基づいています。この試験において、本剤は前治療歴のある局所進行性・転移性乳がんの患者様において、単剤のがん化学療法剤として世界で初めて、治験医師が選択した治療法との比較で、統計学的に有意に全生存期間の延長を示しました。また、本剤は局所進行性・転移性乳がんの治療に用いられる他のがん化学単剤療法と同等な、予測・管理可能な安全性プロフィールを有しています。

 今回のG-BAによる評価は、治療の選択肢が少ないがん領域において、患者様とそのご家族が共に過ごす時間を長くすることが期待される「HALAVEN®」のような革新的な治療剤を支持するものです。

 当社は、引き続き、がん研究における意義ある革新と新薬創出に取り組み、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献し、当社のヒューマン・ヘルスケア(hhc)ミッションを果たしてまいります。

以上

1) ドイツ連邦合同委員会(G-BA): 医師、歯科医師、病院および疾病金庫からなる独立したドイツにおける医療制度の最高意思決定機関であり、医薬品をはじめとする医療サービスに関する保険償還などについての決定権を有しています。
2) ドイツ医療サービス評価研究所(IQWiG):G-BAの委託に基づき、医療サービスの質の向上とコストの効率化に向けて医薬品等の経済評価を行う研究機関です。

[参考資料として、EMBRACE試験、HALAVEN®注射剤、欧州乳がん患者数について添付しています]

<参考資料>

1) グローバル第III相臨床試験(EMBRACE試験)
 EMBRACE試験は、多施設、無作為、非盲検、並行2群間比較試験で、HALAVEN®投与群と治験医師選択治療群との間で全生存期間を比較するようにデザインされました。本試験では、 2種類から5種類のがん化学療法剤(アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む)による前治療歴のある、局所再発性あるいは転移性乳がんの患者様762名が対象となり、HALAVEN®投与群と主治医選択治療群に2:1の比率で割り付けられました。主治医選択治療群は、がん治療が認可された単剤化学療法、ホルモン療法、生物学的薬剤治療、又は苦痛緩和治療、放射線治療と定義され、大多数(97%)の患者様は単剤化学療法を受けました。本試験解析の結果、ハラヴェン®投与群は主治医選択治療群と比較し全生存期間を2.5カ月間延長しました(全生存期間:13.1カ月 対 10.6カ月、ハザード比:0.81、p値:0.041)。
 また、当社は欧州と米国の審査当局からの依頼によりプロトコールの規定に加えてEMBRACE試験の結果をアップデートしました。その最新の解析データは、HALAVEN®投与群では主治医選択治療群に比べて2.7カ月間の全生存期間の延長が認められました(全生存期間:13.2カ月 対 10.5カ月、ハザード比:0.81、p値:0.014)。このデータは2010年12月のSan Antonio Breast Cancer Symposiumで発表され、HALAVEN®の全生存期間を延長し、安全性プロファイルは変化がないことが再確認されました。
 HALAVEN®投与群で高頻度(頻度25%以上)に認められた有害事象は、無気力(疲労感)、好中球減少、貧血、脱毛症、末梢神経障害(無感覚、手足等のしびれ)、吐き気、便秘でした。この中で、特に重篤な有害事象として報告されたのは好中球減少(発熱を伴う症例が4%、発熱を伴わない症例が2%)であります。またHALAVEN®投与中止に至った主な有害事象は末梢神経障害(5%)でした。

2) HALAVEN®(エリブリン メシル酸塩)注射剤について
 HALAVEN® は、アントラサイクリン系ならびにタキサン系抗がん剤を含む少なくとも2種類の化学療法剤での前治療歴のある患者様を対象とする、転移性乳がんの治療を適応とする、新規の作用機序を有する非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤です。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)から抽出されたハリコンドリン類の全合成類縁化合物であり、微小管の短縮(脱重合)には影響を与えずに伸長(重合)のみを阻害し、さらに チューブリン単量体を微小管形成に関与しない凝集体に変化させる作用を有しています。
 現在、新たな適応の拡大をめざし、前治療歴の少ない難治性乳がん、非小細胞肺がん、肉腫、前立腺がん など、他のがん種についても単剤での後期臨床試験が進行中です。

3) 欧州の乳がん患者様数について
 世界では、毎年新たに100万人以上の女性が乳がんと診断されており、そのうち欧州では421,000人と推計され、乳がん罹患率は増加傾向にあります。