ここから本文です

ニュースリリース

2012年3月6日

米国FDAがAMPA受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」の新薬承認申請を受理

  エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、当社が創製したAMPA受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」について、てんかん患者様の部分発作を適応症とする新薬承認申請が、米国食品医薬品局(FDA)に受理されたことを、発表しました。FDAは本申請のPDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)を2012年10月22日に定めました。

  FDAによる新薬承認申請の正式な受理は、当社から提出された申請書類が十分であり、FDAにより本格的な審査が開始されることを意味しています。当社は、本申請について当初2011年5月にFDAに提出した後、2011年7月にFDAから発出された通知に基づいて申請資料の一部データのフォーマットの変更と再解析を実施し、2011年12月に再提出しておりました。

  本剤は、当社が創製した新規化合物であり、本剤が承認されれば、AMPA受容体に対して高選択非競合的に拮抗する世界初のてんかん治療剤となります。当社は、てんかん領域を重点疾患領域のひとつに位置づけ、本領域において複数の治療選択肢を提供することで、てんかん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に取り組んでまいります。

以上

[参考資料として、てんかん、てんかんとAMPA受容体阻害、AMPA受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」、
エーザイのてんかん領域での取り組みについて添付しています]

<参考資料>

1. てんかんについて
  てんかんは、様々な精神機能・身体機能に影響を及ぼす発作が生じる疾患です。ある患者様に2つ以上の非誘発性発作が生じると、てんかんとされています。発作は、一時的に過剰な電気的興奮が起こることによって、生じるものです。てんかん発作には、けいれんや意識消失、そして発作として認識されにくいblank stare(ぼうっと一点を見つめる)、唇鳴らし、手足の痙動など、様々な症状が伴います。
  また、てんかんは年齢を問わずに発症し、一生のある時期に0.5%~2%の人がてんかんを発症すると言われています。てんかんの患者様数は、日本が100万人、欧州が240万人、米国が300万人、世界中で5000万人超と報告されています。

2. てんかんとAMPA受容体阻害について
  てんかんの発症機序には、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸による神経の過剰興奮が関与していることが示唆されています。この興奮に伴う神経細胞内へのカルシウムイオンの過剰な流入により、種々の酵素が異常に活性化され細胞機能が破綻すると考えられています。したがって、グルタミン酸受容体を遮断することは、てんかんによる神経機能障害に対する有力な治療方法と考えられます。
  グルタミン酸受容体は、α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazole propionate (AMPA)受容体、N-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体およびカイニン酸(kainate)受容体の3つのサブタイプに分類されます。そのうち、AMPA受容体は、主に興奮性神経に存在する受容体であり、興奮性神経伝達物質であるグルタミンに刺激されるシグナルを脳内に伝達し、てんかん、神経変性疾患、運動障害、疼痛等、過剰な興奮性神経活動を特徴とする中枢神経系疾患に役割を果すと考えられています。現在、てんかん治療薬において、AMPA受容体を選択的に阻害する新しいメカニズムの治療薬は承認されていません。

3. AMPA受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」について
  「ペランパネル」は、当社が創製した新規化合物であり、AMPA受容体に対して高選択非競合的に拮抗する薬剤です。本剤は、部分てんかんを対象とした第Ⅱ相および第Ⅲ相臨床試験において、幅広い発作抑制効果が示されています。本剤が承認されれば、AMPA受容体拮抗剤として世界初のてんかん治療剤となります。また、成人部分てんかん治療剤として欧州で新薬承認申請が審査中であり、本適応において日本ではフェーズⅢの段階にあります。本剤は、さらなる適応の拡大をめざし、全般てんかんについて国際共同治験としてフェーズⅢを実施しており、部分てんかん単剤療法、レノックス・ガストー症候群などの臨床試験が計画されています。

4. エーザイのてんかん領域での取り組み
  エーザイは、てんかん領域を重点疾患領域と位置づけ、「ペランパネル」の開発に加え、既に成人部分てんかん併用療法として「Zonegran®」(創製・ライセンス元:大日本住友製薬、Na/Caチャネル阻害等に基づく抗てんかん剤:欧州、米国、アジア)、「Zebinix®」(同:BIAL-Portela&Ca社、電位依存性Naチャネル阻害に基づく抗てんかん剤:欧州)を、また小児の早期から発症する重篤なてんかんであるレノックス・ガストー症候群の併用療法として「Inovelon®/BANZEL®」(同:Novartis社、Naチャネル阻害作用に基づく新規トリアゾール骨格の抗てんかん剤:欧州、アジア/北米)、また、てんかん重積状態などの治療に用いる抗けいれん剤「ホストイン®」(販売提携:ノーベルファーマ、フェニトインの水溶性プロドラッグ:日本)を販売しています。
  当社は、てんかん領域において、豊富な製品ラインナップに基づいた複数の治療選択肢を提供することで、てんかん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、引き続き取り組んでまいります。