アボット ジャパン株式会社、エーザイ株式会社体重の少ない若年性特発性関節炎患者様向けの新製剤「ヒュミラ®皮下注20mgシリンジ0.4mL」を新発売

アボット ジャパン株式会社
エーザイ株式会社

アボット ジャパン株式会社(医薬品事業部本社:東京都、社長:ゲリー・エム・ワイナー)とエーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、9月29日、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎の適応で、体重の少ない患者様向けのヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®皮下注20mgシリンジ0.4mL」(一般名:アダリムマブ)を新発売します。

「ヒュミラ®皮下注20mgシリンジ0.4mL」は、本年7月1日に「既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」の適応で製造販売承認を取得し、9月12日に薬価収載されました。

本剤は、体重15kgから30kg未満の体重の少ない若年性特発性関節炎(以下、JIA)患者様への治療を行うために開発した新製剤です。患者様の体重に応じて「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL」と使い分けて頂くことが可能となり、1回に全量を使い切ることのできる皮下注射製剤であることから、簡便に自己注射が可能という特徴を有しています。

若年性特発性関節炎は、16歳未満で発症し、少なくとも6週間継続する原因不明の関節炎を主病変とする慢性疾患であり、*小児の人口10万人に8.79人の割合で発病すると推定されています。患者様においては、通院などにより学業への影響が生じ、進学・就職など将来設計にも影響を及ぼしているといわれています。

本剤はヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体であり、炎症反応に関わる中心的なサイトカインであるTNFαを中和することにより、効果を発揮します。日本において「ヒュミラ®」は、製造販売承認はアボット ジャパンが取得し、アボット ジャパンとエーザイによる1ブランド1チャネル2プロモーション方式で共同プロモーションを行っており、販売はエーザイが担当しています。

両社は、「ヒュミラ®」を若年性特発性関節炎の新たな治療剤として提供することにより、患者様のQOL向上に貢献してまいります。

以上

  • *
    厚生科学研究(子ども家庭総合研究事業)、「若年性関節リウマチの実態調査とQOL向上の医療・行政的政策立案」 平成12年度研究報告書より

[参考資料として、製品概要、用語解説、アボットについて添付しています]

本件に関する問い合せ先

<参考資料>

1. 製品概要

  • 1)
    製品名
    ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.4mL
  • 2)
    一般名
    アダリムマブ(遺伝子組換え)
  • 3)
    効能・効果(ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.4mLに関わる部分を抜粋)

    ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.4mL

    既存治療で効果不十分な下記疾患

    多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎

  • 4)
    用法・用量(ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.4mLに関わる部分は下線部)

    多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎

    通常,アダリムマブ(遺伝子組換え)として,体重15kg以上30kg未満の場合は20mgを,体重30kg以上の場合は40mgを2週に1回,皮下注射する.

  • 5)
    薬価
    ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.4mL:37,739円/1シリンジ
  • 6)
    包装
    ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.4mL:20mg×1シリンジ
  • 7)
    製造販売(輸入)元
    アボット ジャパン株式会社
  • 8)
    販売元
    エーザイ株式会社

2.用語解説

  • 1)
    TNFα

    TNF(腫瘍壊死因子:Tumor Necrosis Factor)とは、腫瘍細胞に対する傷害活性を有する因子として発見された細胞間相互作用を媒介するタンパク質(サイトカイン)の一つです。

    TNFαは、マクロファージ、リンパ球、血管内皮細胞など種々の細胞によって産生され、炎症反応を惹き起こしたり、増強したり、炎症細胞を活性化したりします。

  • 2)
    モノクローナル抗体
    単一株(モノクローン)の抗体産生細胞から得られた抗体で、抗原に対する結合親和性や特異性が均一の抗体です。

3.「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)について

「ヒュミラ®」は、日本において関節リウマチ(2008年4月承認)、尋常性乾癬および関節症性乾癬(2010年1月同)、クローン病(2010年10月同)、強直性脊椎炎(2010年10月同)、若年性特発性関節炎(2011年7月同)の6種の承認を取得しています。現在関節リウマチの関節の構造的損傷の防止について申請中であり、潰瘍性大腸炎などの効能・効果追加に向けて、開発を進めています。

4.エーザイの抗体医薬への取り組み

エーザイは、従来からの強みである低分子化合物に加えて、バイオロジクス(生物学的製剤)分野へ積極的に取り組んでいます。カン創薬ユニットでは、神戸のカン研究所と筑波研究所が連携して、セロミクスを強みとした新規創薬ターゲットの発見と、それを標的とした抗体医薬の創出に取り組んでいます。また、2007年4月に買収したモルフォテック社では、独自の技術である「Human Morphodoma®」、「Libradoma™」を活用することにより、がん・関節リウマチ・感染症などに対する抗体医薬の創出に取り組んでいます。さらに、スウェーデンのバイオアークテック・ニューロサイエンス社との提携によるアルツハイマー病に対する抗体医薬の開発や、日本でアボット ジャパンとヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」の開発・販売を進めるなど、抗体医薬を通して患者様とご家族の皆様のQOL向上に貢献することを目指しています。

5.アボット社について

アボット社は、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数約90,000 人を擁し、世界130 カ国以上で営業活動を行っています。その事業内容は医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器の分野における研究・開発、製造、マーケティングそして販売と多岐にわたっています。日本国内では、従業員約2,800人がこれらのビジネスに関する販売とマーケティングに従事しており、東京、福井、千葉に拠点を置いています。アボット ジャパンのプレスリリースは、www.abbott.co.jp、アボット本社のプレスリリースは、www.abbott.comをご参照ください。

6.アボットの免疫分野への取り組み

アボットは、免疫疾患に対する新規治療薬の創薬と開発に力を注いでおります。1989年に創設したアボット生物科学研究所(米国マサチューセッツ州ウースター)では、自己免疫疾患の新規治療法の開発に向け、世界最高レベルの創薬活動と基礎研究を行っています。「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)に関する詳細や処方情報については、http://www.e-humira.jp/もしくはwww.HUMIRA.comをご覧ください。

〔製品写真〕