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ニュースリリース

(2010年10月28日) 印刷用(PDF 239KB)

ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」の「関節リウマチ」に関する承認条件(全例調査)の解除について


 アボット ジャパン株式会社(医薬品事業部本社:東京都、代表取締役社長:ゲリー・エム・ワイナー)とエーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役社長兼CEO:内藤晴夫)は、このたび、関節リウマチ等の適応症で販売しているヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL」(一般名:アダリムマブ<遺伝子組換え>、以下「ヒュミラ®」)について、承認条件となっていた「関節リウマチ」に関する使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省から解除の通達を受けたと発表しました。

 「ヒュミラ®」は、2008年4月に「関節リウマチ」に対する効能・効果で承認されました。その際の承認条件のひとつとして「製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の安全性および有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」が付されていました。

 今回の承認条件の解除は、本調査の解析結果として厚生労働省に提出した3,084名の関節リウマチの患者さんでの調査報告書をもとに「ヒュミラ®」の安全性および有効性が審査された結果に基づき、決定・通知されたものです。「ヒュミラ®」は、日本において現在までに1万人を超える患者さんでの使用が確認されております。この内、本調査の収集対象である約8,000名の患者さんの結果を最終的にとりまとめ、当局に報告する予定です。

 「ヒュミラ®」はヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体であり、炎症反応に関わる中心的なサイトカインであるTNFαを中和することにより、効果を発揮します。日本において「ヒュミラ®」は、製造販売承認はアボット ジャパンが取得し、アボット ジャパンとエーザイによる1ブランド1チャネル2プロモーション方式で共同プロモーションを行っており、販売はエーザイが担当しています。

 両社は、当該調査で得られたエビデンスをもとに、引き続き適正使用の推進、情報提供に努め、患者様のQOL向上に貢献してまいります。


[参考資料として、使用成績調査の解析結果、用語解説、エーザイおよびアボット社の取組みについて添付しています]
本件に関する問い合わせ先
エーザイ株式会社
PR部
Tel:03-3817-5120
アボット ジャパン株式会社
広報部
Tel:03-4588-4602



<参考資料>


1.使用成績調査の解析結果
 厚生労働省に提出した本調査結果は、2008年6月18日から2009年12月末までの3,084名の患者さんのデータについて解析を行いました。
 有効性の評価はDAS28を用い、ヒュミラ®投与前および24週時点のDAS28が評価された1,971例において、投与前のDAS28(平均±SD)5.3±1.3と高い疾患活動性を示したものが24週時点で3.9±1.5と著明な改善を示し、寛解率は21.1%でした。また層別解析では、「発症早期の病期(ClassⅠ・Ⅱ)」「生物学的製剤の前治療歴がない」「メトトレキサートの併用」の患者さんにおいて、特に高い治療効果を示すことが確認されました。
 副作用発現率は27.1%であり、主な副作用は「皮膚障害」「全身障害および投与局所様態」「感染症および寄生虫症」でした。また、重篤な副作用発現率は4.2%であり、「感染症および寄生虫症」などが報告されました。これら副作用の概要は、開発時の臨床試験で認められたものとほぼ同様でした。

2.用語解説
1)関節リウマチ
 関節リウマチは自己免疫疾患の一種で、関節に炎症が起こり、関節の内部や周囲の骨に損傷が生じる病気です。早期では多くの場合、手指や足、手首などの小さな関節に異常が現れます。肘や膝、足首や股関節にも異常が現れることがあります。関節リウマチを根治する薬は現段階ではなく、患者さんは痛みや炎症を和らげ、進行を遅らせて、日常生活に支障が生じるような関節障害を防止する治療を受けます。薬物治療を受けている関節リウマチの患者数は日米欧で500万人を超えると考えられており、その多くが22~55歳の方々です。
 関節リウマチと治療法については、www.RA.comをご覧下さい。(英文のみ)
 また医療従事者の方や関節リウマチの患者さんとそのご家族の方々へ、ヒュミラ®と関節リウマチの情報を提供することを目的として「ヒュミラ®情報ネット」を2008年6月に開設しています。
 患者さん向けのサイトでは、疾病に関すること、検査から治療までのこと、抗TNF-α製剤のことなどをわかりやすく解説したコンテンツを用意しています。医療従事者向けのサイトでは、適正使用情報、安全性・有効性情報を含めた有用性情報について、詳しく解説しています。
  ヒュミラ®情報ネットのURL は、http://www.e-humira.jp/です。
2)DAS28
 DASとはDisease Activity Scoreの略で、関節リウマチの疾患活動性をスコア化しようということで欧州リウマチ学会(EULAR)が考案した指標です。これは、いくつかの指標を組み合わせることにより、RAの活動性を絶対的な数値で表現しようというもので、全身28関節における疼痛関節数:TJC、腫脹関節数:SJC、患者総合VAS、ESRにて評価する方法が一般的です。これらの数値を公式に当てはめてDAS28を算出します。
  DAS28ESR=0.555×√(TJC)+0.284×√(SJC)+0.7×LN(ESR)+0.0142×(VAS)
  (LN:自然対数、ESR(mm/hr)、VAS(患者総合VAS:0-100mm)
 このDAS28の点数により、DAS28>5.1を高活動性、DAS28<3.2を低活動性、その間を中活動性と考え、特にDAS28<2.6は寛解状態にあると判断されます。
3)TNFα
 TNF(腫瘍壊死因子:Tumor Necrosis Factor)とは、腫瘍細胞に対する傷害活性を有する因子として発見された細胞間相互作用を媒介するサイトカインの一つです。
 TNFαは、マクロファージ、リンパ球、血管内皮細胞など種々の細胞によって産生され、炎症反応を惹き起こしたり、増強したり、炎症細胞を活性化したりします。一部の免疫疾患で過剰に産生され、炎症反応の中心的な役割を果たしている物質です。
4)モノクローナル抗体
 単一株(モノクローン)の抗体産生細胞から得られた抗体で、抗原に対する結合親和性や特異性が均一の抗体です。
5)使用成績調査
 薬事法に基づいて、医薬品の発売後に、その医薬品がどのような患者様に使用され、どのような副作用が出て、どのような効き目だったかなど、医薬品の安全性や有効性について調べる調査です。「ヒュミラ®」の承認条件となっていた「関節リウマチ」に関する使用成績調査は、製造販売後に治療を受けるすべての患者様を対象として実施する全例調査です。

3.「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)について
 「ヒュミラ®」は、ヒトで通常に作られる抗体と類似しており、炎症反応で中心的な役割を演じるTNFα(腫瘍壊死因子α)というサイトカインを阻害することで効果を発揮します。
 「ヒュミラ®」は、2010年6月時点で,関節リウマチは86ヵ国,関節症性乾癬は79ヵ国、強直性脊椎炎は76ヵ国、クローン病は75ヵ国、尋常性乾癬は75ヵ国、若年性特発性関節炎は50ヵ国において承認されており、2010年6月現在、46万人以上の患者様に投与されています。また、「ヒュミラ®」の臨床研究は広範に行われており、複数の適応症に対して1997年4月1日から2009年11月6日までの間にアダリムマブ投与を受けた約2万4千人の患者さんの大規模な安全性データベースを有しています。さらに、現在取得している適応症以外の免疫疾患における「ヒュミラ®」の効果を検討するため、現在もいくつかの臨床試験が行われています。

4.エーザイの抗体医薬への取り組み
 エーザイは、従来からの強みである低分子化合物に加えて、バイオロジクス(生物学的製剤)分野へ積極的に取り組んでいます。特に、2007年4月に抗体医薬の研究開発を専門とする米国のバイオベンチャー企業であるモルフォテック社を買収し、同社独自の技術である「Human Morphodoma®」、「Libradoma™」を活用することにより、がん・関節リウマチ・感染症などに対する抗体医薬の創出に取り組んでいます。また、スウェーデンのバイオアークテック・ニューロサイエンス社との提携によるアルツハイマー病に対する免疫療法の研究や、日本でアボット ジャパンとヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」の開発・販売を進めるなど、抗体医薬を通して患者様とご家族の皆様のQOL向上に貢献することを目指しています。

5.アボットについて
 米国イリノイ州シカゴに本拠を置くアボットは、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数90,000人を擁し、世界130カ国で営業活動を行っています。その事業内容は医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器の分野における研究・開発、製造、マーケティングそして販売と多岐にわたっています。日本国内では、従業員 約2,500人が医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器、ビジョンケア製品の製造開発、ならびに販売とマーケティングに従事しており、東京、福井、千葉に拠点を置いています。アボット ジャパンのプレスリリースは、www.abbott.co.jp、アボット本社のプレスリリースは、www.abbott.comをご参照ください。

6.アボットの免疫分野への取り組み
 アボットは、免疫疾患に対する新規治療薬の創薬と開発に力を注いでおります。1989年に創設したアボット生物科学研究所(米国マサチューセッツ州ウースター)では、自己免疫疾患の新規治療法の開発に向け、世界最高レベルの創薬活動と基礎研究を行っています。
 「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)に関する詳細や製品情報については、http://www.e-humira.jp/ もしくはwww.HUMIRA.comをご覧ください。
以上