米国ノース・カロライナ工場に抗がん剤の注射剤生産棟を開設

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)が米国ノース・カロライナ工場内に建設を進めていた抗がん剤の注射剤生産棟が、このたび完成し、正式に開設しました。

新生産棟は、当社として初めての抗がん剤を含む注射剤の製剤化研究と製剤生産を担うグローバルな生産拠点となります。無菌生産ライン、治験薬製造ライン、製剤研究室などを有し、最先端の封じ込め隔離技術により超高活性化合物を取り扱えるように設計されています。総投資額は約100百万米ドル、総面積は約65,000スクエア・フィート(約6,000m2)となります。

本施設の開設・稼動により、当社がグローバルで構築している研究開発・生産・物流・販売にいたるシームレス・バリュー・チェーンがより強固なものとなります。

当社では、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念のもと、がん関連領域を重点領域として位置づけ、同領域におけるアンメット・メディカル・ニーズを充足するために、有用性の高い抗がん剤などの研究開発、生産、販売に最大限の努力を傾けています。本施設の開設・稼動により、当社が進めているがん関連領域のフランチャイズ化が一層推進されることになります。

現在、当社では、乳がん、肺がん、卵巣がん、メラノーマなどを適応とする複数の抗がん剤候補化合物の研究開発をグローバルに取り組んでいます。本年3月には、当社が創製した抗がん剤「エリブリン(一般名)」に関して、局所進行性・転移性乳がんの適応で、日本、米国、欧州の各当局(厚生労働省、FDA、EMA)に対して、それぞれ承認申請を行いました。本剤が承認された場合は、本施設で生産される最初の抗がん剤となる予定です。

この新しい抗がん剤の注射剤生産棟の開設・稼動を機に、世界各地域のさまざまな医療ニーズに合致した高品質な医薬品の安定供給をより一層推進することで、世界の患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献してまいります。

以上

[参考資料として米国ノース・カロライナ工場の新生産棟の概要および写真を添付しています]

<参考資料>

  1. 米国ノース・カロライナ工場の新生産棟の概要
    • 1)
      所在地: 米国 ノース・カロライナ州 リサーチ・トライアングル・パーク
    • 2)
      新生産棟総面積: 65,000スクエア・フィート (約6,000m2
    • 3)
      機能: 抗がん剤を含む注射剤の製剤化研究、製剤生産
    • 4)
      生産品目: 抗がん剤等 (注射剤)
    • 5)
      生産能力: 5,000,000 バイアル/年間 (single shift)
  2. 米国ノース・カロライナ工場の新生産棟の写真
    航空写真
    1) 航空写真
    • 手前の施設が新生産棟です。
    外観写真
    2) 外観写真