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ニュースリリース

(2010年3月31日) 印刷用(PDF 22KB)

日本・米国・欧州において、抗がん剤エリブリン(E7389)の承認申請を提出


 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、自社で創製した抗がん剤eribulin mesylate(エリブリンメシル酸塩、以下「エリブリン」)について、このたび、局所進行性・転移性乳がんの適応で、日本、米国、欧州の各当局(厚生労働省、FDA、EMA)に対して、それぞれ承認申請を行いました。

 今回の申請に用いた主なデータは、グローバルで実施した第3相試験(EMBRACE試験:Eisai Metastatic Breast Cancer Study Assessing Physician's Choice Versus E7389)によるものです。本試験は、少なくとも2種のがん化学療法(アントラサイクリンおよびタキサン系抗がん剤を含む)による前治療歴のある、局所再発性・転移性乳がんの患者様762名を対象とした、多施設、無作為化、非盲検、並行2群間比較試験です。本試験では、患者様をエリブリン投与群と治験医師選択療法施行群の2群に分け、前者に対しては、21日間を1クールとし、各クールの第1日目と第8日目に、エリブリンをそれぞれ2分から5分間かけて静脈内に投与しました。治験医師選択療法は、がん治療の適応を持つ単剤化学療法、ホルモン療法、生物学的薬剤療法、もしくは緩和療法、放射線療法と定義しました。

 本試験において、エリブリン投与群は、治験医師選択療法施行群に比べ、主要評価項目である全生存期間(overall survival)を統計学的に有意に延長しました。本試験のエリブリン投与群において高頻度に認められた有害事象は、無力症、好中球減少症、脱毛症、悪心、末梢神経障害等でした。そのうち、多くの患者様のQOLを低下させると言われる末梢神経障害については、グレード3もしくは4の発生頻度は10%未満であり、良好な忍容性プロファイルが示唆されています。

 また、アントラサイクリンおよびタキサン系抗がん剤による前治療歴のある進行・再発乳がんの患者様を対象として日本で実施された第2相試験においても、エリブリン投与群は高い奏効率を示すとともに良好な忍容性プロファイルが示唆されています。

 エリブリンは、当社が創製した新規化合物であり、クロイソカイメンから初めて単離された天然由来化合物ハリコンドリンBの合成類似化合物です。タキサン系抗がん剤は微小管を安定化することで細胞分裂を阻害するのに対し、エリブリンは脱重合を抑制せずに微小管の伸長を阻害することによって細胞周期を停止させる、新規メカニズムを有する微小管ダイナミクス阻害剤です。

 乳がんは依然として、女性のがんによる主な死亡原因の1つです。新しい抗がん剤の開発によりその治療法は年々進歩していますが、進行性や転移性の乳がんでは治療の選択肢も決して十分とは言えません。当社は、乳がん患者様および医療従事者のアンメット・メディカル・ニーズを充足することを目的として、本化合物の開発に取り組んでまいりました。

 当社は、がん領域を重点領域と位置づけ、エリブリンをはじめとした新規抗がん剤や支持療法に用いられる薬剤の開発に注力しています。これらの取り組みにより、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。

以上