エーザイASCO年次総会で16報の最新知見を発表

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下エーザイ)は、がん領域を重点領域と位置づけ、基礎・臨床試験を活発に展開しています。2008年5月30日から6月3日まで米国シカゴで開催される「第44回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology、以下ASCO)年次総会」において、当社のがん領域製品およびパイプライン化合物に関する臨床データなど16報の発表が受理されたのでお知らせします。

当社の発表は、市販中の製品から開発中の化合物まで多岐にわたり、転移性乳がん、肺がん、卵巣がん、脳腫瘍、中皮腫、膵がん、骨髄異形成症候群などのほか、がん治療中の患者様への支持療法について発表する予定です。

当社社長の内藤晴夫は、「当社のがん領域における強いコミットメントが、パイプラインの進展という重要な成果につながってきていると考えています。がん領域でグローバルなリーダーとなるという当社の方針は、未だ満たされていない医療ニーズを充足し、患者様とご家族のベネフィットを向上させるという当社のヒューマン・ヘルスケア理念を反映するものです」と述べています。

今学会で採択された発表は以下の16報です。

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化合物・製品 抄録の内容 発表日時、場所
MORAb-003
(farletuzumab)
抄録番号:5500
初回再発においてプラチナ製剤に感受性がある卵巣がんを対象としたMORAb-003(葉酸受容体αに対するモノクローナル抗体)の予備的なフェーズⅡ有効性試験
オーラル・プレゼンテーション
2008年6月1日
16:30~16:45
場所S406
(ビスタルーム)
E7080
抄録番号:3526
進行性悪性腫瘍患者を対象としたE7080のフェーズⅠ試験
ポスター番号 3
Foundation Merit賞を受賞
2008年5月31日
8:00~12:00
場所W375Eロビー
ポスター討論
12:00~13:00
場所W375A
E7080
抄録番号:3527
進行性固形腫瘍患者におけるE7080のフェーズⅠ用量漸増試験およびバイオマーカー解析
ポスター番号 4
2008年5月31日
8:00~12:00
場所W375Eロビー
ポスター討論
12:00~13:00
場所W375A
皮膚T細胞性リンパ腫
抄録番号:8551
皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)を対象とした3つの大規模フェーズⅢ試験の総合解析
ポスター番号45A
2008年5月31日
8:00~12:00
場所SホールA1
MORAb-003(farletuzumab)
抄録番号:5517
進行性上皮性卵巣がんを対象としたMORAb-003(葉酸受容体αに対するヒト化モノクローナル抗体)のフェーズⅠ試験
ポスター番号 7
2008年5月31日
14:00~18:00
場所S403
ポスター討論
17:00~18:00
場所S406
(ビスタルーム)
ALOXI®(パロノセトロン塩酸塩)
抄録番号:9617
幹細胞移植前に高用量メルファランを投与した患者を対象とした、化学療法により生じる悪心・嘔吐に対するパロノセトロン(PALO)の予防効果の検討
ポスター番号46B
2008年5月31日
14:00~18:00
場所SホールA1
GCPⅡ阻害剤
抄録番号:9558
化学療法により末梢神経毒性を来したラットモデルにおけるグルタミン酸カルボキシペプチダーゼⅡ阻害の検討
ポスター番号 37A
2008年5月31日
14:00~18:00
場所SホールA1
E7820
抄録番号:3568
進行固形腫瘍患者を対象としたE7820とセツキシマブ併用フェーズⅠ試験
ポスター番号 24G
2008年6月1日
14:00~18:00
場所SホールA1
MORAB-009
抄録番号:3578
中皮腫、膵臓がんおよび卵巣がんを対象としたMORAb-009(メソセリンに対するモノクローナル抗体)のフェーズⅠ試験
ポスター番号 27C
2008年6月1日
14:00~18:00
場所SホールA1
eribulin mesylate
(E7389)
抄録番号:1084
アントラサイクリン、タキサンおよびカペシタビンによる治療歴のある局所進行/転移性乳がん患者を対象としたeribulin mesylate(E7389)のフェーズⅡ試験
ポスター番号38A
2008年6月2日
14:00~18:00
場所SホールA1
進行乳がん
抄録番号:1064
転移性乳がんに対する現在および今後の治療評価における癌専門医と患者の役割:観察言語学的研究
ポスター32B
2008年6月2日
午後2時~6時
場所SホールA1
DACOGEN®
(decitabine)
抄録番号:7032
Decitabineの5日間連続投与の新投与レジメンに関する多施設フェーズⅡ試験:骨髄異形成症候群患者の種々のサブグループを対象とした有効性の解析
ポスター番号21
2008年6月2日
14:00~18:00
場所E450A
ポスター討論
17:00~18:00
場所E354A
DACOGEN®
(decitabine)
抄録番号:7030
骨髄異形成症候群患者を対象としたdecitabineの5日間投薬スケジュールによる細胞遺伝学的効果
ポスター番号19
2008年6月2日
14:00~18:00
場所E450A
ポスター討論
17:00~18:00
場所E354A
ALOXI®
(palonosetron HCl)
シスプラチンまたはアントラサイクリンとシクロホスファミドの併用をベースとする化学療法レジメンに伴う悪心・嘔吐(CINV)に対する、パロノセトロンまたはグラニセトロンにデキサメタゾン併用による予防効果の検討。日本人患者を対象としたフェーズ3試験 (本試験は大鵬薬品工業株式会社がヘルシン・ヘルスケアSAの支援を受けて実施したものです。palonosetron HCIの日本における販売権は大鵬薬品工業株式会社が保有しています。) 論文発表
ALOXI®
(palonosetron HCl)
化学療法に伴う悪心・嘔吐(CINV)に対する経口または静脈内投与パロノセトロンとデキサメタゾン併用療法による予防効果の検討 論文発表
GLIADEL® Wafer
(polifeprosan 20
carmustine埋め込み型)
新たに多形性膠芽腫または未分化星状細胞腫と診断された成人を対象とし、外科手術、Gliadel Waferおよび限定的放射線療法にテモゾロミドを併用した後、補助療法としてテモゾロミドを投与した治療 論文発表

当社は1987年よりがん領域の研究を開始し、多くの低分子抗がん剤候補を発見し、開発を進めています。この研究基盤に加えて、米国でがん領域の総合的な事業基盤を確立し、本格的な参入を果たすため、戦略的な3つの買収を行いました。2006年10月、Ligand Pharmaceuticalsより皮膚T細胞リンパ腫などの治療剤4品目の製品買収とがん領域スペシャリストの移籍によって抗がん剤ビジネスの基礎を獲得しました。2007年4月のMorphotek, Inc.の買収により、重要な抗体技術と抗体治療薬パイプラインを得ました。そして、2008年1月のMGI PHARMA, INC.の買収によって、がんとその支持療法における、研究開発や事業化能力、パイプライン、製品ポートフォリオの拡大を実現し、強固なビジネス基盤を確立することができました。

当社は、がん患者様の未だ満たされない医療ニーズに対して、患者様の希望につながる新たな治療薬を提供するため邁進してまいります。

以上