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ニュースリリース

(2003年11月13日)

肺癌に関する遺伝子研究情報の利用許諾契約の締結について


株式会社パルマビーズ研究所
三光純薬株式会社
エーザイ株式会社



 株式会社パルマビーズ研究所(本社:東京都千代田区、社長:神保正男)、三光純薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:神保正男)及びエーザイ株式会社(本社:東京都文京区、社長:内藤晴夫)は、オンコセラピー・サイエンス株式会社(本社:東京都港区、社長:冨田憲介、以下OTS)と、本日、肺癌を対象とするOTSの研究情報を遺伝子診断薬の開発に使用する許諾契約を締結しました。


 本契約により、OTSは、肺癌において発現する遺伝子の情報をパルマビーズ研究所に提供します。パルマビーズ研究所は、この遺伝子情報を基にPALSAR法を用いて、肺癌の早期発見、治療効果の判定あるいは予後の診断などに活用できる簡便で高感度な新規遺伝子診断薬の開発を目指します。


 OTSは、東京大学医科学研究所・ヒトゲノム解析センター長 中村祐輔教授(以下中村研究室という)の研究成果活用型ベンチャー企業であり、中村研究室と共同で癌の網羅的遺伝子発現情報解析を行っております。


 パルマビーズ研究所は、三光純薬とその親会社であるエーザイが共同で設立した遺伝子関連技術の研究開発会社であり、両社からの委託を受けてPALSAR法という遺伝子増幅法に関する新技術を利用した遺伝子検査薬の研究開発を進めております。


以 上

本件に関する問い合わせ先
三光純薬株式会社総務部TEL : 03-3865-4311
エーザイ株式会社広報部TEL : 03-3817-5120
※本件に関してはオンコセラピー・サイエンス株式会社も同時に公表しています。



[ 参考資料として主な用語解説、各社の概要を添付しております ]

[用語解説]

[OTSと中村研究室の研究内容]

 OTSと中村研究室は、共同でヒト遺伝子のほぼ全てをカバーする約3万個のcDNAを固相化したオリジナルで高品質のマイクロアレイを用いて、癌組織から癌細胞のみを回収する精度を飛躍的に高めたLMM(Laser Microbeam Microdissection)という技術により、各種癌種で特異的に発現している遺伝子を特定するとともに、正常重要臓器(心臓、肝臓、肺、腎臓、その他)では発現していない、あるいは発現の非常に少ない遺伝子の同定を網羅的に実施しています。

 この研究により癌を対象とした診断薬、および分子標的治療薬開発のターゲットとなりうる遺伝子が見つけられることが期待されます。また、癌に特異的に発現している遺伝子を標的とすることにより、高感度で特異性の高い新規癌マーカーが得られ、新しい診断薬の開発につながることが期待されます。

[PALSAR法の概要]

 PALSAR法は、遺伝子のシグナル増幅法の一つで、予め用意した互いに相補的な3つの領域からなる2種類のDNAプローブ(遺伝子断片)を使用し、大きなDNAポリマー(塊)を作る独特な技術です。このDNAポリマーがシグナルとなり、検出したい遺伝子にこのシグナルが結合することにより、その存在が確認できることになります。
 この手法によれば、核酸合成酵素を必要とせず、短時間に(30秒から30分)、一定の温度(40℃から70℃)で反応が進み、標的とするDNA、RNAのどちらも高感度に検出できるという特徴があります。
 PALSAR法は、医療、食品、環境、農業・畜産等の診断及び検査など幅広い分野での応用が可能と考えており、現在、診断薬分野において事業化を推進しています。

 PALSAR法の名前は、短いDNA断片(Probe)が互い違いに(Alternation)結合して(Link)、自ら集まり大きな塊を作る(Self-Assembly)反応(Reaction)という方法名の頭文字から取りました。(Probe Alternation Link Self-Assembly Reaction)

[網羅的遺伝子発現情報解析]

 各癌種において特異的に発現する遺伝子を網羅的に解析することです。

[cDNA]

 たんぱく質の遺伝情報の流れは、「DNA ⇒ mRNA ⇒ たんぱく質」となります。
 不安定なmRNAの塩基配列を、逆転写酵素を使って人工的に作った(アミノ酸に移しかえてできた)DNAをcDNAといいます。RNAと相補的な塩基配列をもつ一本鎖のことです。

[マイクロアレイ]

 小さな基盤上に非常に高密度にDNAを配置し、それらを手がかりに大量の遺伝情報を獲得することを目的として開発されたシステムのことをいいます。
 本システムは、遺伝子発現情報の解析において有用だと考えられています。

[LMM(Laser Microbeam Microdissection)]

 レーザー光を用いて組織から特定の細胞だけを取り出す技術のことをいいます。癌組織から癌細胞のみを特定することで、特定の細胞だけを取り出す精度が飛躍的に高まることになります。

 (1) ガラススライドにおいた組織片上に特別なフィルムを貼り付ける。
 (2) PCの画面を見ながら顕微鏡下に取り出したい部分を指定する。
 (3) その部分だけにレーザー光をあて、フィルムの基質を溶かし目的の
   組織部分をフィルムに固定し、癌細胞だけを取り出す。

[各社の概要]


株式会社パルマビーズ研究所

代表者 神保正男 (三光純薬(株)代表取締役社長)
本店所在地 東京都千代田区岩本町一丁目10番6号(三光純薬(株)内)
研究施設 神奈川県川崎市川崎区南渡田町1番1号 研究C棟内
事業内容 PALSAR法に基づく診断薬等の研究開発ならびに遺伝子関連技術の研究開発
資本金 5,000万円 [平成15年10月30日現在]
(エーザイ50%出資、三光純薬50%出資)
三光純薬株式会社

代表者 神保正男
本店所在地 東京都千代田区岩本町一丁目10番6号
事業内容 臨床検査薬、研究用試薬、医療用機械器具等の製造、販売、輸入
資本金 52億6,248万円 [平成15年10月30日現在]
(エーザイ50.59%出資)
エーザイ株式会社

代表者 内藤晴夫
本店所在地 東京都文京区小石川4丁目6番10号
事業内容 医薬品、医薬部外品、製薬用機器・装置等の製造、販売、輸出
資本金 449億8,572万円 [平成15年10月30日現在]
オンコセラピー・サイエンス株式会社

代表者 冨田憲介
本店所在地 東京都港区白金台三丁目16番13号
事業内容 遺伝子及び遺伝子産物、遺伝子及び遺伝子産物が関与する疾患の研究、その治療法の開発並びにその成果の販売
資本金 2億3,725万円 [平成15年10月30日現在]