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身近な生活にある薬用植物
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身近な生活にある薬用植物 『日本薬局方』の中の薬用植物
 ひとくちに薬用植物といっても、古い中国の文献に登場するものや民間療法として使われているものなど、いろいろなものがあります。そのため効き目の確かなものから、眉唾なものまで玉石混交というところでしょうか。そこで日本の薬の公定書である「日本薬局方」に載っているものを効き目が確かなものとして紹介したいと思います。

 日本薬局方は普段「局方」と呼んでいますが、医薬品の性状及び品質の適正をはかるために定めた公的な基準ということですから、まさにお墨付きの名前に恥じないでしょう。この中で薬用植物は、第二部の生薬総則の中に収載されており、動物由来やダブリのものを除くと100種類を越えるものが載っています。

 「捨てられてしまう薬用植物」で紹介しましたミカンの皮(チンピ)と杏の種(キョウニン)も、ちゃんと局方に載っていますが、他にも結構身近なものがあります。

 まずは、ショウキョウ(生姜)いわゆるショウガの根茎で、乾燥したものはカンキョウ(乾姜)と呼ばれます。成分として揮発油、油性樹脂が含まれ、吐き気などの消化器疾患を抑える目的で処方されています。

 サンショウ(山椒)も局方に載っています。山椒は小粒でもピリリと辛いというように、辛味成分サンショオールが主成分で、健胃作用が期待されます。

 ケイヒ(桂皮)はカシアの樹皮を乾燥させたもので、形態的にはシナモンとやや異なるのですが、同じような使われ方をします。ケイヒアルカロイドなどの精油が主成分で、強い香りが特徴です。発汗、解熱、鎮痛などの効果を期待して葛根湯などに配合されています。

 アロエは、ケープアロエの葉から出る液汁を固めたもので、主成分であるアロインは緩下作用があり便秘に使われます。日本で栽培されて食用や化粧品に用いられているキダチアロエとは別の種類です。

 これらの植物をながめると、香辛料をはじめとして、まさに「医食同源」という言葉が浮かんできますね。

記事:エーザイ株式会社
         コーポレートコミュニケーション部
         下山 信美  (2004年12月)
杏
<代表的なもの>
アロエ キョウニン[杏仁]
ケイヒ[桂皮](ニッケイ) サンショウ[山椒]
ショウキョウ[生姜] チンピ[陳皮]
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