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身近な生活にある薬用植物 目覚まし草 茶
 一杯のお茶を飲む時間はほっとするひと時です。のどが渇いた時には烏龍茶、麦茶もいいけれど、やはり私は熱い緑茶が一番好きです。
 茶にはビタミンC、カフェイン、タンニンなどが含まれています。茶の旨みや甘み成分のアミノ酸は一番茶でも初期の若い芽に多く含まれ、成熟した芽では極端に減り、逆に渋み成分であるタンニンは少し遅れて若葉の頃が最も多くなります。一番茶を玉露や煎茶にするのはそのためです。玉露のカフェイン含有率は、コーヒーの三倍にもなるといわれます。いくらお茶が好きでも、玉露など就寝前に飲みすぎると、眠れなくなることがあるので注意したいですね。
 「太平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船:じょうきせん)、たった四杯で夜も眠れず」の狂歌があります。上喜撰は高価な宇治茶であり四杯も飲むと夜眠れなくなることと、ペリーが蒸気船である黒船他、四船で来航したのを掛けた狂歌として知られます。幕末後になって読まれたものと推測されますが、幕末の世情や高級なお茶の銘柄と特徴をとらえていて面白いですね。
 お茶を飲む風習は中国に始まり、日本に渡ってきたものです。鎌倉時代の僧・栄西が日本にお茶の種子を持ち込んだのが最初とされています。栄西の著書『喫茶養生記』の冒頭には「茶は末代養生の先薬、人倫延命の妙術」と書かれていて、お茶が薬用として伝来していたことがわかります。
 江戸時代にはお茶を飲むと眠気が覚めることから、「目覚まし草」といわれ、後期には各地で広く栽培されるようになりました。初めは薬用として飲まれていた茶は貴族社会から武家社会に伝わり、庶民の間に広まったのは、煎茶が普及した江戸時代になってからでした。
 茶はツバキ科の常緑樹で、梅の花くらいの大きさのツバキによく似た花を咲かせます。原産地はインド、ミャンマー、中国にわたる広範囲な山岳地帯です。お茶は採葉の時期、調整法の相異により多くの種類があります。摘み取った若葉を蒸し、乾燥させたものが緑茶、生育した葉を蒸し、天火で乾燥、焙焼したものがほうじ茶です。紅茶は発酵後に、加熱して酵素を分解、乾燥したものです。烏龍茶は緑茶と紅茶の中間にあたり、半分だけ発酵させたものです。
 お茶を選ぶポイントはお茶の性質、季節、食事との組み合わせです。例えば、のぼせたり、暑い時には余分な熱をとってくれる緑茶、寒い時には体を温めてくれる紅茶、油の多い料理を食べた後には烏龍茶があげられます。
 日本の風土と日本人の体にあった飲み物として、どこの家庭でも常備されている身近なお茶ですが、うまく取り入れて健やかさを保ちたいものですね。

記事:内藤記念くすり博物館
         伊藤 恭子 (2012年10月)
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