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身近な生活にある薬用植物 薬草茶
 薬草の利用の仕方としては、煎じる、生のまま、焼く、蒸すなどですが、“煎じる”(お茶にする)という利用方法が一番多いようです。薬草茶は、人体の自然治癒力や抵抗力を強め、体質を改善したり健康を維持するものと考えられています。
 さて、この薬草茶ですが、嗜好品として飲まれているお茶のように飲みやすくはありません。“良薬口に苦し”といったところでしょうか。しかし、1種類だけでなく2〜3種類の薬草を組み合わせることによって飲みやすくなったり、効果が良くなったりもします。薬草茶の代表的なものとしては、千回振り出してもまだ苦いセンブリ、痛み止めや毒を直すとう意味で“毒痛み”から転化したと言われるドクダミ、腹痛などに“現によく効く証拠”のゲンノショウコ、つるが垣根を通して伸びるカキドオシ、病人を引き起こすヒキオコシなどがあります。
 ご自身でこれらの薬草を採取する際は、目的の植物であることを確認する必要があります。中には、大変似ているもので危険な毒草ということもありますので、専門家に見てもらうのが一番安心です。薬草は生えている場所の地質や日当たりの状態、また採取する時期によって、その薬草に含まれている成分の量が違ってきます。特に採取する時期には注意が必要です。一般的に葉を使うものは花の咲くころ、根を使うものは晩秋の頃とされていますが、例外もあります。また、採取した薬草を乾燥させお茶にする際にも注意が必要です。薬草にはタンニンが多く含まれているため、鉄製のヤカンで煎じるとこのタンニンが酸化してせっかくの効用が落ちてしまいます。土瓶や土鍋が一番適していますが、アルマイト製のヤカンでも利用できます。
 くすり博物館には薬草に親しんでもらうために来館者の方に無料でウコン茶を提供するコーナーがあります。作り方はまず、スライスして乾燥させたウコンの根茎を水から弱火で煎じます。沸騰してきたところでエビスグサの種子を炒った物を入れて更に10分ほど煎じてできあがりです。味の方は、エビスグサを入れることによってウコン独特の苦味が緩和され飲みやすいと思います。また、私たちが丹精籠めて育てたウコンとエビスグサ(もちろん無農薬です)ですので安心して飲んで頂けます。ウコンには肝機能を高めたり胃の働きをよくする作用が、エビスグサには血圧を降下させたり腸の調子を整える作用があるとされています。
 薬草茶は一度飲めば、すぐに効果が表れるというものではありません。一日に数回、続けて飲むことで、なんだか最近調子がよくなったと感じるものです。ただし、体質に合わなかったり、飲んでも体調が変わらない場合もありますので、ご自分の体と相談しながら飲んでみてはいかがでしょうか。 薬草茶に適していると思われるものを一部ご紹介します。

記事:内藤記念くすり博物館付属薬用植物園
         亀谷 芳明   (2004年3月)
薬草茶
<代表的なもの>
[植物名][利用部位]
アマチャヅル全草
ウコン根茎
エビスグサ種子
オウレン根茎
オオバコ種子、全草
カキ
カキドオシ全草
カワラケツメイ全草
クコ葉、根皮
クワ
ゲンノショウコ全草
センブリ全草
タンポポ
ドクダミ全草
ハブソウ(本来のハブ茶はこちらを指します。)葉、種子
ヨモギ
ヤーコン茎葉
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