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身近な生活にある薬用植物 麻黄湯
 近年、夏の気温は連日、猛暑(35℃以上)日を記録するようになり、熱中症に倒れる人の数は増えるばかりです。熱中症は、気温だけでなく湿度も関係していることから、室内でも起こることがあり、体調に合わせてこまめな水分・塩分補給が必要になります。
 この夏、夜間急に高熱を発し、39℃を超えてしまいとても慌てました。総合感冒薬を服用しても熱は下がらず、節々が痛い。インフルエンザを疑った3日目の朝、休日診療の内科の診察で「インフルエンザではありません。熱を下げて、ゆっくりと体の調子を整えていきましょう。」そして「麻黄湯」を処方してもらいました。
 漢方薬では、風邪の引き始めに良く用いられる「葛根湯」は聞いたことがありました。体を温め血行を良くする作用があります。「麻黄湯」は、主薬のマオウ(麻黄)に、鎮咳・去痰作用のあるキョウニン(杏仁)、緩和作用を持つカンゾウ(甘草)、発汗・発散作用のあるケイヒ(桂皮)の組み合わせでできています。マオウは、交感神経を刺激するエフェドリン類が含まれ、気管支拡張作用があります。古くから生薬として、発熱・鎮咳などに用いられ、近年ではインフルエンザの初期にも用いられることがあるそうです。
 今まで、漢方薬など口にしたことがありませんでしたが、粉薬を頬張りながら、効き目を待ちました。その晩から熱はピタリと下がり、節々の痛みも和らいできました。

 立秋を過ぎても続く厳しい残暑。無理せずこまめに休息を取ることが大切です。あと少し、暑い夏を楽しみましょう。

記事:エーザイ株式会社
         PR部
         鴇田 弘子 (2012年8月)
マオウ キョウニン
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