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<桂離宮の建築に使われている植物> |
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アカマツ[赤松] クロマツ[黒松] |
堅くて強く、耐久性もあるため、建物の梁などに用いられてきました。しかし、松脂が表面から浮き出し、ソリやネジレもよくおこしやすい材です。樹形や木目が変化に富んでおり、見た目の面白いものは床の間など、装飾的に使われる場合もあります。桂離宮古書院では、柱を含め、松が多く使用されています。 |
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イネ[稲] |
稲の茎を乾燥させた藁は、瑞穂の国と言われる日本では非常に身近なもので、俵や縄、むしろなどの材料として生活に無くてはならない素材でした。藁は土壁の強度を増すために混ぜられ、畳床(畳表をはる芯の部分)としても使われるなど建築の世界でも活躍しています。桂離宮御殿の白い外壁は、表面にぶつぶつのある「ぱらり壁」と呼ばれる特殊な漆喰塗りになっており、光の当たり方によって、いろいろな表情を見せてくれます。 |
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カキ[柿] |
ゴルフクラブのパーシモンでおなじみの木材です。重く堅い木材で、肌目は緻密ですが、加工がしづらく、割れやすい特性も持っています。和家具や装飾材として用いられ、桂離宮では、松琴亭の連格子などに使われています。また、若い果実からとれる柿渋は、耐水、防腐、防虫などの目的で木材に塗布されます。 |
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キリ[桐] |
柔らかい材質のため、柱など構造材には向きませんが、色白でくるいが少なく、耐火性もあるため、家具、建具などに使われます。桂離宮でも、襖、袋棚の背面などに使用されています。 |
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クリ[栗] |
重く堅く弾力もあります。湿気にも強く、長持ちする材料です。しかし、加工が難しく、釘打ちなどで割れることもあります。線路の枕木や家の土台などに使われますが、桂離宮では松琴亭茶室の床脇柱などに使われています。 |
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ケヤキ[欅] |
広葉樹では日本を代表する銘木です。堅く、強く、狂いも少なく、木目も鮮明で、磨くと独特の光沢が出ます。桂離宮では、棚板などに使われています。 |
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コウゾ[楮] ミツマタ[三又] |
繊維が長く強靭なことから、ともに和紙の原料となり、障子紙、襖紙として使われます。中書院には、狩野探幽筆の見事な襖絵を見ることができます。ちなみに、美しさと丈夫さで評価の高い日本の紙幣はミツマタが原料の和紙でできています。 |
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スギ[杉] |
日本原産で、全国に幅広く分布し、強靭で濡れても腐りにくいことから、建築材として古くから利用されてきました。桂離宮でも、柱、広縁の縁板など広く使用され、遠く屋久島から運ばれた屋久杉も見ることができます。 |
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チャ[茶] カシ[樫] |
建築の材料ではありませんが、茶は桂離宮の重要な要素です。生活の場である書院と、一種の社交の場、サロンであった茶亭、茶室の融合と対比に興味は尽きません。樫は、茶の湯の湯を沸かす炭の原料になります。有名な備長炭も樫から作られます。「木偏に堅」という漢字からわかるように大変堅い炭ができます。ガスも少なく、ゆっくりと一定の温度を保って長時間燃えるため、茶の湯に最適と言われています。 |
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ヒノキ[桧]
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きめが細かく、適度な堅さがあり狂いも少ない上、腐りにくく水湿に対する耐久性も高い木材です。さらに、特有の香りと光沢もあり、建築材としては最良と言われています。桂離宮では、銘木とされる日向(宮崎県)の隈原桧も使われています。 |