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身近な生活にある薬用植物 熊とクマ笹と水芭蕉
 猛暑の影響で、熊の食糧(キノコ、木の実、蜂蜜、小動物など)が激減し、熊が里山に出没するニュースをよく見るこの頃です。熊は冬眠中、絶食し、メスはさらに出産するのですから、それに耐える栄養を蓄えたい熊も必死なわけですね。絶食中に出産するメスの生命力には驚きます。
 さて、今回は過日戸隠に雪上散歩に行ったときの話しをさせてください。ツアーでは早春の陽だまりの中で積もった雪の上をガイドさんの説明を聞きながらスノーシューでのんびり歩きました。普段歩けない樹林の中の冷たくもさわやかな空気、日ごろ間近に見えない木々の上部などを間近に見たりとなかなか気持ちのよい散歩になりました。ガイドさんは、この山にいる動物の痕跡(足跡、木々についた熊の爪あと、キツツキのつついた痕など)を見せ、植物や動物について詳しく話をしてくれました。さらに雪上での3時のお茶をサービスするなど心配りも充実で、すばらしい雪の世界に導いてくれました。いろいろな話を伺ったなかに忘れられない熊とクマ笹と水芭蕉の話があり、感動したので、紹介します。

 ご存知のとおり熊は冬眠中絶食し、またその間排泄しません。普通ならば体内には毒素が溜まりますが、その対処方法がとても理にかなっているのです。

<冬眠前に>
 熊は木の実などの高カロリー、高タンパクを沢山食べます。そのまま冬眠すると醗酵し、毒素が体内に溜まるのですが、木の実以外に血液浄化や腸内で発生する悪臭物質を除去する作用があるクマ笹を大量に食べ、毒素発生を抑え、且つ冬眠直前に松脂を食べて肛門をふさぐそうです。

<冬眠あけに>
 熊は水芭蕉の根茎を食べるそうです。水芭蕉の根茎には吐き気、下痢の作用があり、熊はそれを食べて体内の毒素を排出し、さらに大量のクマ笹も食べて体内を浄化させるそうです。

 熊の冬眠前後に適切な効能がある野草を食べることや、冬眠あけにタイミングよく雪どけした湿地から水芭蕉が芽をだすという本能や自然の流れに感心しきりです。デリケートな水芭蕉が気候の変動や自然破壊で山中からなくならないことを祈るばかりですね。

 水芭蕉、クマ笹、松脂、それを本能的に使い分ける熊、とにかく自然はすばらしいです。すばらしい自然を守るために人間ができること、私にできることを頑張りたいとおもいました。

 今年の冬は例年より寒い予想が発表されていますが、皆様お体を大切にされ、この季節をお楽しみください。

記事:エーザイ株式会社
         PR部
         荒川 啓子  (2010年12月)




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