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身近な生活にある薬用植物 アスパラガス
 アスパラガスといえば、茎の太い緑黄色野菜としてお馴染みですが、旬をむかえる春から初夏までの季節にしか味わえない白いアスパラガスの美味しさは格別です。缶詰に加工されたヌルッとした食感のホワイトアスパラと同じものですが、新鮮なものはサクッとした歯ごたえと微かなえぐみがあり独特の食感です。ドイツやフランスなどでは、日本のタケノコのように春の訪れを告げる野菜として親しまれているようです。

 アスパラガスの学名は、Asparagus officinalis L.です。Asparagusという名称の語源は、ギリシャ語の“非常に分枝する”という意味で、この属の植物の茎葉がよく分布することを言い表しています。そして、officinalisは、“薬用になる”というラテン語からきたもので、この植物が栄養に富み、古い時代に薬用として使われていたことがわかります。
 原種は、南ヨーロッパからロシア南部にかけて、海岸や河岸などに多く自生していました。食用としての栽培の起源ははっきりとはしていませんが、BC8世紀以前とされています。

 日本では、天明元年(1781)に長崎のオランダ人によって伝えられ、最初は食用ではなく庭園の観賞用植物として、マツバウド(松葉ウド)、オランダキジカクシ(和蘭雉隠し)といった名称で観賞されていました。現在でもアレンジフラワーやブーケなどには、緑のそえ物として使われています。食用としては、明治4年(1871)に北海道開拓使が栽培を始め、昭和時代に一般家庭の食卓にも広く普及しました。

 緑色と白色、どちらの栄養成分が高いかを比較すると、緑色が圧倒的に多くの栄養素を含んでいます。どちらも同じ品種のアスパラガスですが栽培方法によって色が変化します。緑色は若芽に十分な日光を当てて栽培されますが、白色は土盛りなどをして日光を遮って育てられます。緑黄色野菜は、日光の恵みによって栄養素が増すとされています。

 緑色のアスパラガスには、βカロテン、ビタミンB群、C、E、カルシウム、鉄、ニコチン酸などの含有量が多く、野菜としては豊かなたんぱく質、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸、ルチン酸、亜鉛などのミネラル類も含んでいます。アスパラギン酸は、新陳代謝を促したんぱく質の合成を高めて滋養強壮の働きを持っていますが、アスパラガスから発見されたので、アスパラギン酸と命名されたそうです。

 季節を問わず、年間を通じて店頭に並んでいるアスパラガス、健康には栄養価の高い緑色のアスパラガスを積極的に食べるのがよさそうですが、4月下旬〜6月頃しか食べられない白色のアスパラガスも、美味しいので見かけたときにはぜひ食べてみてくださいね。

記事:内藤記念くすり博物館
         野尻 佳与子 (2012年5月)


アスパラガス
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