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身近な生活にある薬用植物 アンズ
 夏の信州に行くと、黄色のアンズの果実を見ることができます。アンズは中国原産のバラ科の落葉高木で、早春に白や淡紅色の花をつけます。梅より少し遅れて咲きます。
 日本の古名は「カラモモ」で、和名は“杏子”の中国音がそのまま日本語となったものです。
 薬用にするのは種子で杏仁(きょうにん)といい、咳止めとして使われてきました。杏仁の入っている漢方には麻黄湯があり、咳止めに用います。これは杏仁4.5g、麻黄5g、甘草3g、桂枝3.5gを一日量として煎じて分けて服用します。杏仁と麻黄が相乗的に作用し発汗と下熱、咳を止める効果が期待できるそうです。
 他に漢方で杏仁を配合するものとして、杏蘇散、潤腸湯、清肺湯、麻杏甘石湯などの処方があります。咳止めや痰切りの薬として喘息、呼吸困難、浮腫などに使われます。民間療法としては、アンズの葉を煎じた液で洗眼したり、果実を食べて呼吸を楽にし、渇きを癒すといわれます。生の果実には微量ながら青酸成分が含まれ呼吸興奮を起こすとされています。生の果実を食べるのは危険なので自己判断で行なうのはやめましょう。
 デザートの杏仁豆腐(あんにんどうふ)を作る時に日本ではアーモンドパウダーやエッセンスを入れるようですが、これはもともと杏仁霜を入れていたといわれています。アンズとアーモンドと見比べると種の形はそっくりです。
 「神仙伝」の説話にもとづいた医者の別名に「杏林」(きょうりん)という名称があります。これは呉の名医・薫奉(とうほう)が治療代の代わりにアンズの木を植えさせていたところ、数年後に立派な林になってたくさんの実が得られるようになった事に由来しています。
 アンズの手頃な食べ方としては、干しアンズ、アンズジャム、シロップ漬(アンズのコンポート)などで、手作りしてみるのもいいかもしれません。ホワイトリカーに漬けたアンズ酒は、疲労回復によいとされるので、これからの季節にぴったりです。
 聖書に書かれたリンゴは金色との表現があり、アンズはリンゴの本種という説もあります。確かにリンゴは同じバラ科ですし、似ていますね。

記事:内藤記念くすり博物館
         伊藤 恭子 (2012年7月)
アンズ
アーモンド
アンズ(種) アーモンド(種)
アンズ
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