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くすり教育を考える (2008.12.05)

館長です  去る11月22日(土)に「くすりに対する正しい知識は子供のときから」というテーマで博物館主催の市民講演会を開催しました。今年の3月に新しい学習指導要領の公示があり、中学校の新学習指導要領で学ぶ事項として「医薬品は正しく使用すること」という一文が加えられ、平成24年から施行されることになりました。医薬品の適正使用に関する「くすり教育」をしっかりと中学校で行うことになったわけです。
 講演会では、東京薬科大学の加藤哲太教授に「なぜ、子供のときからくすり教育が必要なのか」「どういった方法でどんなことを教えるのがよいのか」等、分かり易くお話いただきました。くすりの適正使用協議会からも3名の方が東京より駆けつけ、実際に学校で使用可能な教育資材の説明をしていただきました。参加者からは「自分の判断でくすりを服用してしまう時があり、学童のときからくすりの知識を与えることは非常に大切」、「非常に重要なことだと思います。小学校へも拡大されることを望みます」「いつも薬剤師の存在感の薄さを痛感しています。本日のお話で勇気が湧きました」等、くすり教育に対する前向きな声が多く寄せられました。今回の講演会が契機となり、博物館の周辺地域の学校において一日も早く「くすり教育」が実施されることを期待しています。
 先日、博物館に併設されている図書館で調べものをしている中学生に出会いました。何故くすりに関心をいだいたのか聞いたところ父親が医師で、父親の処方するくすりに関心をもったとのことでした。博物館の展示品の感想を尋ねてみると、「大変興味深かった」と答えてくれましたが、「本当にそう?」と聞き返したところ、少しはにかんだ様子でした。この中学生は、わざわざ静岡から友人と2人で2日間に亘り博物館を訪ねてくれたのです。
 最近、当博物館の来館者数の中で、学生、生徒さんの割合が増加しています。こういった若い世代の人たちにくすりを身近に感じ、くすりに関心をもってもらうための企画や構成について、また、彼らのくすりに対する関心を満足させる展示がされているかどうか、今一度点検の必要性を感じています。くすり教育の観点から、内藤記念くすり博物館も何か新しい取り組みを実践していきたいと思っています。
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