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株主・投資家の皆様へメッセージ

新たな中期経営計画「EWAY 2025」

 新興国を中心とした中間所得層の拡大やグローバルな高齢化の進展により、がんや生活習慣病、認知症などの非感染性疾患が増加する中、医療の質や効率性、持続可能性がますます問われるようになっています。当社では、今後10年間のグローバル医薬品産業を取り巻く環境変化を「患者様中心」、「予防、治癒、ケア」、「地域・在宅医療」、「アウトカム(治療成果)」、「ペイヤー(支払者)」、「アクセス」、「デジタル技術」という7つの観点から捉えた上で、2025年度までの新たな中期経営計画「EWAY 2025」を策定し、2016年4月よりスタートしました。10年後に辿り着くべき目標をしっかりと見据え、着実に患者様貢献を果たして参ります。
 「EWAY 2025」は、3つの戦略意思から構成されております。3つの戦略意思の根本は、患者様に貢献したいという当社の企業理念hhc(ヒューマン・ヘルスケア)です。患者様とともに時間を過ごし、患者様の真のニーズを理解することによって生まれる強い動機づけが当社のイノベーションの源泉です。未だ真の患者様ニーズが満たされておらず、かつ当社がフロントランナーとなりうる「立地」を見出し、かかる「立地」において当社がイノベーションにより中心的な役割(センターライン)を果たすことが、「EWAY2025」の中心的なコンセプトです。

戦略意思1
「病気になりたくない、罹っていれば早く知りたい、そして治りたい」に応える

 患者様満足の最大化に向けて、ニューロロジー、オンコロジー領域を戦略的重点領域と定め、それぞれの領域においてビジネスグループを創設しました。研究開発から販売までの機能を集約した領域特化のEnd to Endの組織のもと、パイプライン優先度、ライフサイクルマネジメント採択、コマーシャルミックス変更等の重要決定を速やかに行って参ります。
 ニューロロジー領域では、「1. 低侵襲な早期診断」、「2. 新しい神経伝達経路」、「3. タンパク変性」、「4. 神経炎症および免疫ジェネティクス」、「5. シナプス微小環境」、「6. ニューロン再生」という6つの立地、オンコロジー領域では、がん微小環境における3つの細胞(「1. 間葉系細胞、腫瘍間質」、「2. 骨髄系細胞」、「3. 血管内皮細胞」)、およびがん細胞における「4. ドライバー遺伝子変異、スプライシング異常」という4つの立地において、イノベーションの創出をめざして参ります。
 また、リアルワールドデータ、ゲノムデータ等の様々な社外ビッグデータおよび社内に蓄積されているデータを集約し、一元管理とワンストップアクセスの実現をめざすhhcデータクリエーションセンターを新設しました。これらのデータを、人工知能をはじめとする高度な解析技術を駆使して解析することによって、新たな創薬ターゲットやバイオマーカーの同定、患者様個々のニーズに合致したソリューションの提供等を推進します。疾病を治癒に導く薬剤(Curative Medicine)と先制医療に資することができる薬剤(Preemptive Medicine)の創出を目指します。

戦略意思2
「住み慣れた場所、地域やコミュニティで自分の病気を管理し、予後や老後を安心して過ごしたい」に応える

 医療の提供体制における機能分化・連携や在宅医療の充実等の動きに対応すべく、メディカル、アウトカム、アクセス機能を中核とする地域医療にフォーカスした事業体制へ転換します。特に、日本においては、在宅医療において罹患率の高い認知症、不眠症、骨粗鬆症、便秘症等の疾患において、エーザイ製品に加え、EAファーマ株式会社(消化器領域事業)やエルメッド エーザイ株式会社(ジェネリック医薬品事業)の製品を組み合わせてより高いアウトカムをもたらすことを追究し、そのためのエビデンスの創出により患者様アクセスの向上をはかります。さらに、「アリセプト」の発売以来築いてきた認知症領域における知識や経験を活かし、認知症ソリューション事業を展開します。「多職種連携サービス」「お出かけ支援ツール」「服薬支援機器」などのツールを活用し新しいソリューションを提供し、認知症と共生する社会の実現への貢献をめざします。

戦略意思3
hhcニーズに基く立地(機会)が見出せ、それを満たすイノベーションが可能な事業分野」に集中する

 事業ポートフォリオについては、我々が立地を見出し、イノベーションを連打することができる「ニューロロジービジネス」「オンコロジービジネス」「EAファーマ」「ジェネリック医薬品事業」「コンシューマーhhc事業」「認知症ソリューション事業」の6つの分野に集中していきます。また、グローバルな生産体制においても各工場の強みを活かしたイノベーションベースの立地を確立し、世界規模でのデマンドイノベーション活動を展開していきます。

Towards 2025

 2025年度に向けて飛躍的な成長を遂げるため、ニューロロジー領域、オンコロジー領域における立地を活かし、次世代アルツハイマー型認知症治療剤、がん領域における低分子Precision medicinesを含む13品のフラッグシップドラッグの創出をめざします。2025年度に向けて、当社は「Medico Societal Innovator」として、Preemptive Medicines、Curative Medicines、Solutionsの提供により「予防、治癒、ケア」に対する患者様とそのご家族のニーズを充足するとともに、メディカル、アウトカム、アクセスを基軸とする事業ミックスにより「安心・安全を届ける地域医療」に貢献して参ります。

 引き続き、hhc理念とコンプライアンスのもと、持続的な企業価値向上をめざしステークホルダーズ各位の負託に応える所存です。今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2016年8月

署名: 内藤 晴夫
代表執行役CEO