ロンドン宣言—顧みられない熱帯病制圧に向けた新たなコミットメントを表明

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2012年8月20日掲載

エーザイは、2012年1月30日、世界製薬大手13社の一員として、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世界保健機関(WHO)、米国および英国政府、世界銀行、および顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)の蔓延国政府とともに、過去最大の国際官民パートナーシップを構築し、2020年までにNTD10疾患の制圧に向けて共闘していくという共同声明「ロンドン宣言」を発表しました。この新しい連携により、NTDs制圧に向けて網羅的に、医薬品供給、物流、新薬開発、インフラなどにおける課題に取り組み、より効果的にNTDs制圧を成し遂げることを目指しています。

新興国や開発途上国に事業が拡大される大グローバリゼーション時代において、NTDsの制圧や医薬品アクセス問題は、解決すべき重要な課題です。エーザイは、これらの国々での健康福祉の向上に貢献することは、経済発展や中間所得者層の拡大につながり、将来の市場形成への長期的な投資であると考えています。エーザイは2010年11月に、NTD10疾患のうちの一つであるリンパ系フィラリア症の治療薬であるDEC(ジエチルカルバマジン)を合計22億錠、WHOに無償で提供する覚書に調印しました。

今回のロンドン宣言においては、その無償提供に関する最終契約書に調印をし、エーザイの更なるコミットメントを表明しました。

リンパ系フィラリア症の治療には3種類の駆除剤が用いられますが、そのうちの一つであるDECは世界的に供給不足状態にあり、本疾患の制圧に向けた大きな障害となっています。当社は、WHO基準の品質が保証されたDECをインド・バイザッグ工場で生産し、「プライス“ゼロ”」のエーザイ製品として提供するとともに、責任をもって安全性情報の収集・提供を行います。過去、製薬企業が熱帯病制圧プログラムのみを目的として医薬品を新たに承認申請し、生産・供給した事例はありません。当社は2013年からDECの供給を開始し、このプログラムを通して2020年までに2.5億人の開発途上国の人々にお届けする計画です。

今回のロンドン宣言において、エーザイはそのリンパ系フィラリア症に対する取り組みに加えて、シャーガス病、リーシュマニア症に対しても新薬開発に取り組むことを表明し、2020年までのNTDs制圧に向けて全面的に協力することを宣言しました。

「ロンドン宣言」発表の様子(左端:WHO事務総長マーガレット・チャン氏、
中央:ビル&メリンダ・ゲイツ財団ビル・ゲイツ氏、右端:内藤晴夫社長)

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