医薬品アクセスに関する当社の考え方

hhc理念を世界に向けて

当社グループは、研究開発型のグローバル製薬企業として、世界各国において健康の維持・向上に貢献しています。当社グループの企業理念(hhc理念)である、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することは、当社の定款にも記されており、世界各国の社員や展開する事業にしっかりと根付いています。また、当社グループは、サイエンスとデータに基づくソリューションを創出し、他産業・グループとの連携によるエコシステムの構築を通じて、人々の「生ききる」を支えるhhceco(hhc理念+エコシステム)企業へと進化し、人々の健康憂慮の解消と医療較差の是正という社会善を効率的に実現することをめざしています。

今日、貧困や医療システムの不備などから、必要な医薬品が必要とされる患者様のもとに届かないという問題を医薬品アクセス問題と言います。世界では、20億人以上が必要な医療を受けることができず、必要な医薬品を入手できない状況にあります*1。国際連合が定める持続可能な開発目標(SDGs)でも、そのターゲット3.8には、「すべての人々に対する財政保障、質の高い基礎的なヘルスケア・サービスへのアクセス、および安全で効果的、かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンのアクセス提供を含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する」ことが挙げられています。

このような状況の中、当社グループは、研究開発型グローバル製薬企業の使命は、革新的な医薬品を創出し世界の健康と医療に貢献することであると考えています。すなわち、最新生命科学に基づく医療ニーズを満たす新薬開発と、必要とされる医薬品を必要としている人々にいかに届けることができるかという医薬品アクセスの確保です。

当社グループは、グローバルヘルスにおける医薬品アクセスの確保において、長期的かつ、持続的な解決法を志向し、パートナーシップも活用して実行することをめざします。さまざまな官民パートナーシップモデルを通して、医薬品のアフォーダビリティー(affordability:「購入のしやすさ」)、アベイラビリティー(availability:「入手の機会」)、アドプション(adoption:「服用の意向」)の向上、その基盤となるアーキテクチャー(architecture:医薬品アクセス改善のための医療インフラ)の整備を図り、医薬品へのアクセスを改善していきます*2

  • 1
    Access to Medicine Foundation
  • 2
    Frost LJ, Reich MR, Access: How Do Good Health Technologies Get to Poor People in Poor Countries? Cambridge: Harvard Center for Population and Development Studies, distributed by Harvard University Press, 2008
ACCESS, Affordability, Availability, Adoption, ARCHITECTURE
医薬品アクセス向上に向けた「4つのA」

特に、中低所得国の医薬品アクセスの問題は、一製薬企業の努力では決して解決できません。製薬企業や様々な組織、団体が国際的に協力して解決しなければならない課題となっています。当社グループは、政府、世界保健機関(以下、WHO)などの国際機関、他の民間企業、非政府組織(NGOs)や非営利団体(NPOs)などとの官民パートナーシップのもと、世界における医薬品アクセスの改善に向け、積極的に貢献していきたいと考えています。

医薬品アクセスを改善するには、単に医薬品を供給するという取り組みにとどまらず、医療そのものから、さまざまな観点で活動することが求められています。それぞれの地域における患者様や社会にとって購入可能な価格で医薬品が供給され、患者様が十分に理解された上で治療方針の決定に参画し、その決定に従って医療が行われること(adherence)が必要であると考えています。あわせて、中長期的な視野で継続的に医療が提供されることを前提とした取り組みも重要であると考えています。

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